梅干しの製造・販売を行う(株)梅樹園(@Baijuen_Umebosi)さんがTwitterに投稿した梅干しの白い粒の見分け方が話題に。気になる投稿について当社のSNS担当・浦孝輔さんにお話を伺いました。

 

5万いいねがついた(株)梅樹園(@Baijuen_Umebosi)さんの投稿
5万いいねがついた(株)梅樹園(@Baijuen_Umebosi)さんの投稿

塩分の高い梅干しはカビることがない?

── 今回の投稿のきっかけを教えてください。

 

浦さん:私どもは創業114年、梅の製造・加工業を行っている会社で、日々、梅の情報や梅の魅力、新しい食べ方などを発信しています。梅干しについてのお問い合わせの中に、「家で漬けた梅干しが白いけれど、これはカビでしょうか?」というご質問があったんです。直接、各ご家庭に伺って保管状態や白い様子を見ることもできませんし、ご自宅で簡易的に見分ける方法をご紹介しようとなり投稿しました。

 

── 白いものの正体って何でしょうか?

 

浦さん:基本的に塩分の高い梅干しはカビることがないので、白いものが梅干しについていた場合は塩やクエン酸が結晶化したものである可能性が高いです。ただ、ご自宅で管理しているなかで、梅干しが持つ強い静菌作用を失うこともあります。例えば何かしらの形で水分が付着し、そのまま保管された場合などは静菌作用が弱まり稀にカビが繁殖することもあります。

 

── それを見分けるためにお湯をかけるとのことですが、どのくらいの温度のお湯をかければよいでしょうか?

 

浦さん:ご紹介した動画では沸騰した100℃近いお湯を使用しています。白くなった梅干しに熱湯をかけると結晶化していた成分が湯に溶け、梅干しの色に戻ります。カビだった場合は白いものが湯に溶けないので、梅干しからはがれたとしても湯の中に浮いているものが見えると思います。その場合は食べることはお勧めしません。

福神漬けの代わりにカレーに梅干しも!

── 梅干しは保存食のイメージがありますが、賞味期限などはあるのですか?

 

浦さん:梅干しには塩のみで漬けた塩分20%くらいの「白干し梅(しらぼしうめ)」と、その白干し梅を原料とし、塩抜きして調味液につけた、いわゆる皆さんが購入されるような調味梅干しがあります。白干し梅は塩分濃度が高いため保存性も高く、原料の状態では賞味期限もありません。しそやはちみつ、昆布など調味液につけた調味梅干しにはそれぞれの賞味期限が設定されています。

 

── 今回カビの見分け方について多くの方の反響がありましたが?

 

浦さん:私たちが普段何気なく行っていることが、皆さんにとっては有益な情報になるということを実感しました。今はSNSを通してさまざまな情報を発信していける時代なので、これからも老若男女問わず、多くの方に梅干しの魅力を伝えていければと思います。

 

毎年2月頃に梅の花が咲き、実がなりだすと6月の収穫の時期にはこのあたり一帯が梅のいい香りに包まれるんです。それを塩漬けして8月から10月くらいまでに干し終わります。

 

(株)梅樹園が育てている「南高梅」
(株)梅樹園が育てている「南高梅」

南高梅は見た目も美しい梅で、大粒で皮が薄く果肉が柔らかいのが特徴です。梅干しには完熟落下したものしか使わないので自然落下を待つのですが、ギリギリまで熟した梅は、日持ちせず鮮度が重要となり、その日のうちに塩漬けする必要があるので、そのときがいちばん忙しい時期になります。

 

その鮮度を活かした漬け方をすることで、ぽってりとした上質で美しい梅干しができます。そのなかでも最上級の品質の梅干しのことを、われわれは「はぶたい梅」と呼んでいます。

 

ぽってりとしたフォルムが美しい「はぶたい梅」
ぽってりとしたフォルムが美しい「はぶたい梅」

──「梅がはぶたい」という表現、初めて聞きました。梅干しをどのように食べるのがおすすめですか?

 

浦さん:そのままでも美味しいですし、梅干し白湯もおすすめです。湯の中に入れた梅干しをつぶして飲むことで風邪をひいたときも体が温まっていいとおばあちゃんの知恵としても知られていますね。

 

私は梅干しが大好きで、カレーに福神漬け代わりに入れたり、うどんのスープに入れたりして食べるのがお気に入りです。梅干しを普段食べない人にこそ、SNSを見て食べたくなったと思ってもらえたらという思いでこれからも発信していけたらと思っています。

 

── おいしそうな「はぶたい梅」の写真を見ているとじゅるりと口が反応してしまいます。ちょうどこのあと初夏に向けて、お店にも梅が出回る時期。梅シロップや梅酒の仕込み、梅干しを漬けたりと梅仕事にも挑戦したくなりますね。

 

梅干しの製造・販売を行う老舗が教える判別方法
梅干しの白い部分が気になるので、お湯をかけてみることに…
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お湯をかけると徐々に白い部分がなくなり…
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すっかり白い部分がなくったので、白い部分は塩分ということが判明!
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おいしくいただきましょう!

 

取材・文/加藤文惠 画像提供/(株)梅樹園