みなさんのお宅では、風呂上がりや寝起き、家族はどんな格好をして居間にやってきますか?パジャマ?きちんと着替えて?それとも全裸…?三世代同居のわが家の場合をお話しします。
「朝、パジャマのままはみっともない」説
週末の朝、だいたい家族でいちばん朝寝坊の私が、パジャマや部屋着姿のまま居間に行くと決まって、「あらまだパジャマなの?」と、義母からお小言をいただくことになります。
私に次いで朝寝坊の息子や義父もまた、パジャマ姿で居間にいると、義母から「早く着替えてらっしゃい!」と叱られています。
義母自身はめっぽう朝に強く(その分、夜は早々に寝てしまいますが)、朝は誰よりも早く起きて着替えも化粧もばっちり済ませ、朝ごはんを作って家族が起きてくるのを待ちかねています。
それはそれで大変ありがたいのですが…週末の午前中くらい部屋着でダラダラさせてほしい…というのも私の偽りのない本音です。
なんなら、外出の予定がないのなら休みの日は1日中パジャマでもいいのでは?
服を着ているだけでも頑張っていると思って欲しいのですが?
…それはさすがに極端ですが、私がこんなふうに思うのにも訳があるのです。
風呂上がりはバスタオル姿の義母
なぜ朝のパジャマ姿が許されないことに納得がいかないのか…それは義母の風呂上がりの姿です。
二世帯完全同居の家ということもあり、私は風呂上がりには最低限、パジャマや部屋着を着て脱衣室から出るようにしています。
しかし、義父母は頻繁に、素っ裸にバスタオルを1枚巻いただけの防御力の低いスタイルで居間に現れるのです。さすがにその姿で長時間過ごすことはないものの、他の家族からすると、どうにも目のやり場に困ります。
夫はいわゆる裸族タイプではなく、風呂上がりもそれなりの格好をして出てきます。子どもたちも、小学校低学年の頃まではお風呂からすっぽんぽんのあられもない姿で出てくることもありましたが、さすがにもう中学生と高校生の恥じらいを知るお年頃。誰に言われずとも脱衣所できちんと着替えて出てくるようになりました。
つまり、わが家でいま風呂上がりにあられもない姿で出てくるのは義父母だけ。どう考えても、寝起きにパジャマ姿でいるよりも、風呂上がりのバスタオル1枚の姿のほうがドレスコード的にアウトだと思うのですが…?
時間帯…?義母のだらしない格好ライン
そうして改めて思い起こすに、義母の服装についてのNGラインというのはなかなか微妙なところにあります。
- 私が深夜に夫を職場まで車で迎えに行くとき、パジャマの上にコートだけ着て出るのはOK
- 私が朝、ゴミ捨て場にゴミ出しに行くとき、パジャマの上にコートだけ着て出るのはNG
- 部屋着で朝のゴミ出しに行くのはOK、ただし首元がベロベロに伸びたシャツはNG
- 夜に部屋着でコンビニに行くのはOK
ここまで考えてみて私なりに想像するに、これは服装よりも時間帯がポイントなのではないか、と気づきました。義母にとって、朝は新鮮な気持ちで迎える1日の始まりであるからだらしない格好はNG。しかし夜はもう寝るだけのリラックスタイムなので、多少だらしない格好でもOK。というところなのではないかと思うのです。
このラインはきっとごく感覚的なもので、理屈で説明しきれるものでもないでしょうし、わざわざ時間をかけて話し合って義母と価値観のすり合わせをする気までは起きないのですが、しかしやはり一抹の納得のいかなさは残ります。
育ってきた環境が違うからすれ違いもしょうがない…いや環境どころか世代も性格も生き方も生命力もまったく違う嫁姑の二人です。分かり合えなくて当たり前、むしろ共通点があることのほうが珍しい訳です。この程度のすれ違いで済んでいるのが奇跡的なのかもしれません。
…もし今度、私が風呂上がりにバスタオル1枚で居間に現れたら、義父母はどんな反応をするだろうか…と想像しては、一度やってみたいような、絶対にやりたくないような複雑な気持ちになるのでした。
文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ