家庭と仕事、オンとオフの切り替え

休日に家族で高尾山へ

── ところで、原さんは2人のお子さんがいらっしゃいますが、仕事と家事・子育ての両立など、どのように気持ちを切り替えているのでしょうか?

 

原さん:そこは、すごく大事にしているところで、通勤電車の行き帰りで、気持ちのオンオフを切り替えています。家にいるときは家のことに専念できるように、仕事はきっちり終わらせる。通勤電車は大体30分乗車するので、車内でぐっすり寝て頭を切り替えます。もし、仕事でうまくいかないことがあったとしても、子どもたちに出さないように気をつけてはいます(笑)。

 

── 仕事から帰ってきても、家事やお子さんのお世話など、やることがたくさんありますよね。

 

原さん:いつも忙しくしています。ただ、私が運転士になるために、静岡県の三島で4か月間の泊まり込みで研修を受けていた時期があります。研修当時、子どもが小学5年生と3年生でしたが、そこである程度自分のことは、自分でできるように教えていたからでしょうか。当時に比べると、だいぶ手がかからなくなったような気はします。

 

特に下の子は現在小学4年生になりましたし、母親が幼稚園のころから泊まり勤務をしていたからか、慣れてきたのでしょうか。子どもたちも成長したと思います。

 

また、コロナ禍に入って夫の会社がテレワークメインです。子どもが家にいるときは、基本的に大人がいますし、家事や子どものお世話は、夫と私で相談しながらやっています。

 

── 原さんがお休みできるタイミングはありますか?

 

原さん:日々追われている感じはしますが(笑)。それでも平日がお休みの日は、ママ友とランチに行ったり、子どもが夜寝た後に休憩したり、適度に息抜きはしているのかなと思っています。

 

はじめは不安もありました。ただ、せっかくいただいたチャンスでしたし、できる限りの準備をしたうえで、新しい世界に飛び込みました。動き出した今は、そこに合わせて工夫をしながら、日々過ごせていると思います。

 

PROFILE 原由佳さん

はらゆかさん。2003年にJR東海入社。駅、車掌業務を経て育休を取得した後、2022年から新幹線運転士として活躍。

 

取材・文/松永怜 撮影/坂脇卓也