そもそも「捨てるものを持たない」暮らし
── 濱津さんは、かなりのミニマリストだと聞いています。最近、処分したものはありますか?
濱津さん:基本、必要ないものを買うってことがまずないので、消耗品以外に捨てるものが、そもそもないですね。最近で捨てたものは、オーブンですかね…。パンを焼く、安いオーブントースター。
── 買い換えたとかではなく?
濱津さん:はい。買い換えではなく、捨てました。「いや、これ使ってないな…」と思って(笑)。
買った当初はパンを焼いたりしていたんですけど、気づいたらしなくなっていて。1回、焼かずに食べてみて、それからずっと焼かないで食べるようになっちゃって…。
── トーストしなくなった?
濱津さん:なんだろう。食パン自体を買わなくなっていますね。食パンを買わなくなり、オーブントースターの出番がもう、餅くらいになって…。
でも餅は、「レンジでチンして、フライパンで焼けなくもないか」みたいになって、それでここ1、2年くらいは、全然使ってない。「“いつか使うかも”は、もうないな…」と思って、捨てちゃいました(笑)。
── 不要なものを持たない、「いつか使うかも」と思わないなどは、「持っていてもしょうがない」といった感覚があるのでしょうか?
濱津さん:そうですね。でも、それよりは“貧乏性”なんだと思います。実家も大きい家ではなかったですし、姉と兄がいる三人きょうだいで、ひとり部屋も全員分はありませんでした。
子どものころは姉にだけ小っちゃい部屋があり、上が独立して出て行って自分に部屋が回ってきたとき、その狭いスペースをいかに広く使うか?みたいな。
持たないことに軸があるというより、部屋が狭かったから、その中でスペースをできるだけ広く使いたい。そのための整理整頓が基本というか、スペースを有効活用したい気持ちが、最初にあったからかもしれません。