おじいちゃん、おばあちゃんという「第3の場」
── 移住されて約1年ですが、パートナーは今の生活については何と?
前田さん:子育て自体は大変だと思いますが、子どもたちは義理の両親や近所の方たちにいつも「かわいいね」って声をかけられて、そういう光景が毎日見られるのはよかったなと思います。
大人も子どもも、逃げ場のような場所があったほうがいいと思うんです。おじいちゃんやおばあちゃんのように甘えられる存在があると、子どもたちも妻も安心ですよね。
── そのほか、移住してよかったことはありますか?
前田さん:子どもの通う幼稚園は人数が多くなくて、それが子どもには合っているように思います。このまま子どもたちが元気に過ごしてくれるといいなと思いますね。
また、国の移住支援で、地方へ移住すると支援金の申請ができます。まとまったお金を支援していただけるのは、ありがたいですね。それに自治体に申請すると、お米、味噌、醤油が1年分送られてきます。米どころなので、おいしいお米をたくさん食べられて嬉しいです。
月1回程度の東京出張で仕事が回るありがたさ
── 前田さんが勤務するショーケースは都内に拠点を置かれていますが、お仕事は鶴岡からフルリモートでされているのですか?
前田さん:はい。現在、広報業務を中心に業務をしています。プレスリリースの執筆・配信、社内広報、採用広報などがメインで、お客様へのインタビューでは出張になることが多いですが、出張も月に1〜2回くらいなので無理のない範囲で鶴岡の自宅で仕事ができています。
一方で、ここ数年はコロナ禍でオンラインだったものが、最近だとオフラインに回帰しており、どう参加していくかを考えています。だからといって、鶴岡市から引っ越すつもりはないので、うまく調整しながらやっていこうと考えています。
理想的な働き方についてですが、それぞれのライフステージや時期にあわせて出社するかどうかを社員が相談しながら選択できるといいですよね。
「子育て中は在宅のほうが効率も上がるよね」、「台風のときは在宅のほうが安全だよね」、「コミュニケーションを要する業務のときは出社のほうがいい」など、働き方の柔軟性を高めることで、パフォーマンスが上がったり、人材の定着や採用活動にも良い効果が生まれたりしそうだと感じています。
僕自身、家族や会社と相談しながら、柔軟にライフスタイルをつくっていきたいです。
取材・文/高梨真紀 写真提供/前田大地