「私、忍者になりたいんです…!」

躰道の練習中。立ち姿が勇ましい

── 鈴木さんが忍者に興味を持ったきっかけは、何だったのでしょうか?

 

鈴木さん:7歳のときにアニメ『忍たま乱太郎』を見たことがきっかけでした。当時は、同じ年代の子どもたちと一緒に忍者ごっこをして遊ぶ程度でしたが、これがすごく楽しかったんですよね…!忍法を使ったり、修行をしたり。忍者の世界観にあこがれました。忍者になって世界征服したいとかね(笑)。

 

もちろん、子どもながらに「忍者になるのは無理だろう」とは思ってましたよ。

 

小学校の卒業文集は、当時は英語が好きだったし、親や先生の目もあるので「翻訳家になって、世界と日本をつなぐ仕事がしたい」と、大人しく書いていたんですけど(笑)。

 

── そこから、本格的に忍者の活動に目覚めたのは、なぜでしょうか?

 

鈴木さん:大学生のときに、『さんまの東大方程式』に出演したんです。当時は東大ブームというんですか?東大生がテレビとか取材を受ける機会もあったんですよ。

 

それで、番組の中でさんまさんから将来の夢を聞かれたんですが、とくになりたいものがない…と思っていたら、そうだ、私は子どものころ、忍者になりたかったんだ…!と思い出したんですよね。

 

そこで、さんまさんに「忍者になりたいです…!」と言いました。すると、「忍者」というワードが強かったのか、反響がけっこう大きくて、番組放送後に忍者のスカウトがきたんですよ。びっくりしました。そこから、少しずつ忍者としての活動を始めていきました。

 

── 忍者として、訓練などするのでしょうか?

 

鈴木さん:忍者の道場に通って、師匠について忍者の技を学んでいます。どんな技かは詳しくは言えないのですが、ほとんど格闘技のような感じです。

 

また、私は元々アニメが好きで『らんま1/2』や忍者が主役の漫画『ナルト』も夢中になって読んでいました。漫画の影響もあって、中国格闘技を始めたんですが、ほかにも武道を始めて、テコンドーは黒帯で初段、太極拳、躰道もできます。

 

── 忍者の活動をするにあたって、意識していることはありますか?

 

鈴木さん:忍者の活動を通して、「日本文化と世界の懸け橋になりたい」と思っています。日本の文化や魅力を知ってもらいたいと思っています。そのために、積極的にSNSでも発信をしているところです。

 

PROFILE 鈴木柚里絵さん

すずきゆりえ。1991年生まれ。声優。忍者。東京大学、東京大学大学院卒。日本、中国、韓国の武道を取得。「ミス総理大臣」グランプリ受賞、政府公認のコスプレイヤーとしても活動した。

 

取材/文 間野由利子