園児でも小学生でも、スポーツをしているときに「親からかけて欲しくない言葉」があると言います。親はつい“無意識”につぶやいただけかもしれません。子どもの成長や幸福感を促す応援と、そうではない応援の境界線はどこにあるのでしょうか。

 

【図解】子どものスポーツで親のメンタルが悪影響を受ける理由

「チームへの悪口はやめて」子どもの悲痛な声

── 子どものスポーツ応援に熱くなるのは親として自然ですが、なかには子どもを傷つける“  応援席ハラスメント”になっている場合も。罵声だけでなく、舌打ちやプレーの指示なども応援席ハラスメントに含まれているのですね。

 

藤後先生:厚生労働省の職場ハラスメントを参考に、近年スポーツの現場で生じている「嫌がらせ」を“スポーツ・ハラスメント”と定義しました。

 

なかでも親子や応援席との関係において、優位な立場から適正な範囲を超えて子どもに苦痛を与えるケースを“応援席ハラスメント”と呼びます。     

 

子どもたちへのアンケートからは、舌打ちなどの非言語的表現も同じように傷つくとわかっています。

 

2017年にバスケットボールスクールに通う小中学生を対象に行った調査では、2割近くの子どもが、チームの親集団にネガティブな態度・言動をとってほしくないと答えました。「失敗したときにため息をつくのはやめてほしい」とも記されていました。

 

応援席でのネガティブな発言はとくにやめてほしいと思っていて、「自分の悪口を人前で言わないでほしい」「チームへの悪口や文句はやめてほしい」と、切実な声が聞かれました。

 

また、応援に来てくれるのはうれしいけれど、「審判や相手チームへの批判や必要以上の大騒ぎ・無礼な言動はやめてほしい」と子どもは思っています。同じく「監督やコーチと異なる指導や指示」も嫌がっています。