春からの進学や就職などに合わせて、引越しをする人が増えるこれからの時期。特に1月〜3月は、多くの物件が市場に出回るため、自分好みの物件と出会える可能性も。しかし、いざ、引越しが決まったらまずは何をすればいいのでしょうか。都内にある賃貸仲介サービス「ichicari(イチカリ)」の代表であり、宅建士のなかゆーさんに伺いました。

意外と忘れがちだけど、重要なこと

── 引越し先が決まれば、今住んでいる家の退去手続きをしたり、引越し業者に見積りを依頼をしたりと、やるべきことが盛りだくさんです。いつまでに、何をすればいいのかをまとめた「やるべきこと21選」のリストが話題を呼びました。このなかで特に、忘れがちだけれど大事な項目はありますか。

 

なかゆーさん:電気・ガス・水道のライフラインの手続きです。これはかなり重要です。

 

電気と水道に関しては、基本的に電話で手続きができます。ところが、ガスの開栓手続きにはガス会社の立ち合いが必要になるので、手続きを忘れてしまうと、引越し当日に新居でガスが使えないということも…。最低でも5日前までにはガス会社へ連絡しておくと、ほぼ立ち合いの希望日を指定することができるかと思います。

 

── 他にも気になる点はありますか。

 

なかゆーさん:火災保険の解約手続きです。契約期間内に解約をすれば、払い込んだ保険料は残りの日数に応じて返金してもらえるのですが、これを忘れてしまう人がけっこう多いです。というのも、賃貸物件を解約する際、火災保険の解約までアナウンスしてくれる管理会社はほとんどないからです。

 

── では、そのまま火災保険の解約を忘れてしまった場合、転居前の賃貸物件に対して保険を払い続けている状態になると。

 

なかゆーさん:おっしゃるとおりです。ただし、不動産屋の指定で火災保険に加入した場合、基本的に2年契約になるため、契約期間が終了すれば自動更新されることはありません。ところが、ネット保険には注意が必要です。

 

今は同等の補償内容でリーズナブルな価格が人気のネット保険ですが、手続きを簡略化するためクレジットカード払いになっているんですね。その為、自身で解約をしなければ自動更新される場合があります。解約の手続きは忘れないようにしましょう。