子育て家庭が内見時に見るべきポイント
── 子育て世帯の場合は、内見時にチェックすべきポイントも多いかと思いますが、特に確認すべき大事なポイントはありますか。
なかゆーさん:皆さん気になるのが防音性だと思います。チェックリストにも書いていますが、部屋の中心で手を叩いて音が反響すれば気密性が高いということ。つまり、外に音が漏れにくいため防音性の高い物件になります。
一方、単身用のマンションやアパートは、比較的音が響きやすい造りになっているため、子どもの泣き声や足音でクレームに繋がるケースが多く、最初から「子ども不可」になっている場合があります。
── 確かに、防音性は気になりますね。他はいかがですか。
なかゆーさん:エレベーターの有無ですね。例えば、ひとり暮らしで2階に住んだ場合、エレベータがなくても気にならないかと思います。しかしベビーカーを使う場合、子どもを抱っこしながらベビーカーと荷物を持って階段を昇り降りするわけですから、けっこう大変になります。子どもが小さいうちは、移動がしやすく足音も響きにくい1階のほうがラクだと思います。
他にも、物件周辺の建物や雰囲気も内見時に合わせて確認しておくといいですよ。
── 確かに、間取りや設備だけでなく、周りの環境も大事ですね。
なかゆーさん:以前、ファミリー向けにとてもいい物件が見つかり、お客様も乗り気でわくわくしながら内見に行ったんです。
しかし、実際に駅から物件までの道のりを一緒に歩いてみたところ、車道は広いのですが、歩道はまったく舗装されていなかったんです。「これは、子どもには危ないよね…」という話になり、残念ながら物件の候補から外れたことがありました。やはり、子どもの目線で物件周辺を歩いてみることが大事だと感じましたね。
また、内見に行くまでに余裕のある人は、Googleマップで周辺の店舗や施設、公園などを見たり、Yahoo!防災速報のアプリで治安や雰囲気などをチェックしたりしておくのもおすすめです。
── 事前に物件周辺の環境を調べておくと、内見当日は気になる箇所を確認できますね。
なかゆーさん:おっしゃるとおりです。
ちなみに、不動産業界は1月〜3月が繁忙期。その時期は、流通する物件が多いのですが、人気のある物件は募集してもすぐに希望者で埋まってしまいます。「この物件に決めたい!」と思って内見に行く際は、申し込みできる準備(顔写真つき身分証明書。会社勤めの方は健康保険証も持参)をしておくといいですよ。
PROFILE なかゆー(中野由妃絵)さん
都内で不動産会社を経営する業界歴9年の宅地建物取引士。一律報酬のお部屋探しサービス「ichikari(イチカリ)」を運営。Twitter(@ichikaritokyo)やYoutubeなどSNSで8.4万人フォロワーをもつ。
取材・文/山田優子 画像提供/なかゆー