引越し後、生活を始めてから気づく思わぬ落とし穴。事前にしっかり確認しておくべきだった──。そんな後悔をしないため、不動産屋のプロは、内見時にどこをチェックしているの?都内にある賃貸仲介サービス「ichicari(イチカリ)」の代表であり、SNSで人気の宅建士のなかゆーさんに、内見時にチェックすべきポイントを伺いました。
物件選びがスムーズになる内見チェック
── 賃貸物件を探す場合、気になる部屋を見つけて、その後、実際に不動産屋さんとともに部屋を訪れて内部を見学します。その際、最低限確認すべきポイントがあるとツイートされていましたよね。
なかゆーさん:今は自宅を職場にしてリモートワークで働いている人が増えていますので、インターネット環境が整っているかどうかは注目すべきポイントです。
物件資料のなかに「インターネット完備」と書いてある物件であれば、部屋まで回線の引き込みができているため、引越し後すぐにインターネットが使えます。
ところが、「インターネット対応」や「光ファイバー(光回線)対応」と書いてある物件は、マンションやアパートの共有部分まで回線工事は済んでいるものの、部屋に回線を引き込むために工事の手配やプロバイダの契約を自身でしなければなりません。そのため入居後、工事が完了するまで個別でWiFiをレンタルするなどの手間がかかります。
現在、東京近郊の賃貸マンションで「インターネット完備」されている物件は5割程度。すぐにネットを使いたいという方は、内見時に光回線を繋ぐ光コンセントが室内にあるかどうか確認しておくといいですよ。
── コロナ禍でネットショッピングを利用する人たちが増えています。ツイートに記載はありませんでしたが、物件を探すうえで、ポストのサイズや宅配ボックスの有無のチェックも重要になりそうな気がするのですが…。
なかゆーさん:そうですね。特に宅配ボックスは、受取人が不在でも荷物が受け取れるので、日中留守にすることが多い方は便利です。
いっぽうで、リモートワークとなり日中荷物が受け取れる方は増えています。最近ではあえて「宅配ボックスはいりません」とおっしゃる方も多いですね。
また、宅配ボックスが設置されているマンションは、同じ間取りでも宅配ボックスが設置されていないマンションに比べて家賃相場が高くなる傾向があります。その為、あらかじめ宅配ボックスが不要だという方は、その条件を外して物件を探されています。
── なるほど。他にも内見で見落としがちなところはありますか。
なかゆーさん:洗濯機の置き場ですね。特にドラム式洗濯機を利用する場合は、扉を手前に開けるため、そのスペースが必須。引越してから「狭くて扉が開かない」といった事態が起こるケースが意外と多いんです。内見までに、ドラム式洗濯機の型番から、高さや扉を開けたときの奥行きの幅を調べておくといいですよ。