「海の魅力を伝えたい」ゴミ拾いを楽しくするのも夢

海洋ゴミを拾うことを漁師の仕事としてとらえ、本格的な活動をしている一般社団法人シーソンズ。

 

こうした活動のほかに、本田さんには「子どもたちに海の楽しさを伝えたい」という夢があります。

 

「体験学習などで、子どもたちがゴミ拾いに参加する場面があると思います。ただ、残念なことに”拾わなければいけないから拾う”スタンスが強すぎると、子どもたちにとって海は”遊ぶ場所”ではなく“ゴミを拾う場所”になり、なかなか海の魅力が伝わりません」

 

子どもたちに最初に感じてもらいたいのは、海は“楽しくて、生き物のたくさんいる面白い場所”ということ。ゴミ拾いも、もっと遊び心のあるイベントにしたいそう。

 

高校の生物教師から海女に転身した本田さん

「たとえば浜辺で拾ったプラスチックの破片が、じつは海外の漁で使われるパーツの一部ということがあります。正体がわかると、ゴミがゴミでなくなるというか、ちょっとした宝探し感覚になるんですね。

 

“このゴミはもともと、なんだったんだろう?”と思ったときに気軽に調べられる“プラスチック図鑑” などを作ってみたいです。義務としてゴミを拾うのではなく、“楽しいからゴミを拾う”。

 

そこから“なんで海にはこんなにゴミがあるんだろう”などの自発的な気づきを得ていく過程で、”そもそも海は楽しくて、居心地がいい場所だからゴミは出さない”意識が根づいたら、どんどんいい環境になるのではないかと思います」


取材・文/齋田多恵 写真提供/一般社団法人シーソンズ