カップに勢いよく注がれるおいしそうなコーヒー。しかし、その正体はなんと木彫り作品!スイーツから日用品まで、身近なものを本物そっくりに木彫りで再現するキボリノコンノ(@kibori_no_konno)さん。Twitterには6万いいねがつき、「透明感がすごい!」「脳が騙される」と、たくさんの驚きの反応が!作品づくりのきっかけや作品が生んだ奇跡の出会いについてご本人に伺いました。

逆転の発想で透明感を表現

── 木彫り作品「注がれたコーヒー」が本物そっくりで驚きました。流れ落ちる液体や水面の揺らぎ、泡の部分も、本当にすべて木で作られているのですか?

 

キボリノコンノさん:カップ以外はヒノキでできています。

 

「木で透明な液体を作る」ということにみなさん驚かれたようですね。コーヒーの表面の泡は、実際は透明で丸く膨らんでいますが、木なので膨らませることはできませんし、木を透明にすることはできません。なので、逆に穴をあけて丸く凹ませて、アクリル絵の具の着色とつや出しのニスで立体感を出し、透明な液体を表現してみました。

 

製作期間は約12時間くらいでしょうか。撮影したときに、注がれる様子がおいしそうに見える角度を探し、撮影して、それを見本に作っていきました。

 

木彫りを作り始めたのが1年前なのですが、最初に作った作品が「コーヒー豆」だったので、そこから繋がるものを、ということで、今回、コーヒーを作りました。1年かけて、無事にコーヒー豆がコーヒーに成長しました(笑)。

 

いちばん最初の作品「コーヒー豆」。すべてはここから始まった!
いちばん最初の作品「コーヒー豆」。すべてはここから始まった!

── まだ木彫りを始めて1年とは驚きです!木彫りを始めたのは何かきっかけがあったんですか?

 

キボリノコンノさん:一昨年、家を建てたので、DIYでテーブルや本棚などいろいろ作っていたのですが、もう作るものがなくなってしまって(笑)。コーヒーを淹れながら、他に何か作るものはないかと考えていたところ、「そういえばコーヒー豆って木の素材に似ているな」と思って、家にあった茶色い木材を彫ったのが始まりです。

 

もともと大学でデザインを学んでいて、以前は仕事で家具のデザインなどをしていました。でも今はまったく別の仕事をしていて、木彫りも完全に独学です。作るときに設計図などはなく、角材にだいたいの大きさだけ描いて、正解を探りながら削っています。

 

── 今後、挑戦したい作品はありますか?

 

キボリノコンノさん:木彫りを始めたころに緩衝材、いわゆる「プチプチ」を作ったのですが、当時は着色の技術がたりず、うまくいかなかったんです。あとは、いくらの軍艦巻きを作ってみたいなと。コーヒーの作品で泡が表現できたので、今ならできるかな、と。ぜひやってみたいですね。