気づきにくい「尿ハネ汚れ」の場所とは

—— なるほど。他におろそかになっているトイレ掃除の部分はありますか?

 

宮下さん:
ほとんどの製品に装備されている脱臭フィルターですね。その存在を知らない方も多いようで…。

 

—— 私も今回取材にあたって調べるまで知りませんでした。どこにあるか取扱説明書で調べてようやく発見できて。案の定、かなり黄ばみとカビのようなものが付着して汚かったです。

 

宮下さん:
機種によってはわかりづらいところに取りつけられていますので、お手間をおかけしました。

 

脱臭フィルターの設置場所は機種によって違いがあるので取扱説明書などで確認を

脱臭フィルターは取り外してから、付着した汚れを不要な歯ブラシでこすり落とすと簡単にとれます。

 

洗ったら水けを完全にとりましょう。水けが残るとホコリがつきやすくなり、機能が低下しますので。効率よく臭いを吸収するには月1回の掃除が有効です。

 

—— 盲点だったその2つを掃除すれば、トイレ内の匂いも軽減できそうですね。

 

宮下さん:
じつは、「便座前方のフチ」と「便座と便器のスキマ」による尿ハネ汚れも大きな原因で、そこもふだんから掃除が必要です。

 

「便座前方のフチ」は皆さん日々掃除されていると思うんですが、「便座と便器のスキマ」の尿ハネ汚れを見落としがちです。

 

便座と便器のスキマには尿ハネはふだんから掃除したいところ

—— そんなところに汚れがつくんですか…。いまや多くの男性も座って用を足すので、その部分に汚れが付着するとは意外でした。

 

宮下さん:
そうですね、座ってされる方は増加傾向ではありますが、まだまだ立ってされる方もいらっしゃいます。

 

トイレで汚れが気になる箇所についてのアンケート結果

そうした方が便座と便器に直接かけてしまったり、便器内からの跳ね返りが隙間に入り込み汚れることがあります。    

 

—— 男性が座って用を足すことで、そうした余計な汚れを軽減できるんですね。他に注意点はありますか。

 

宮下さん:
とくに便座の掃除をするとき、乾いたもので拭くと表面が傷つくことがあります。

 

素材がプラスチックなので、傷がつくとそこに汚れがたまりやすくなり、また、静電気でホコリを吸い寄せてしまいます。

 

ですので、なるべく水で濡らした布や市販のトイレ用お掃除シート(水分を含んだタイプのもの)をご利用ください。

 

どの部分の掃除にしても、基本的には月1回お手入れしていただくのがキレイを保つ前提ですので、その点を気にしていただければ幸いです。

 

—— 意外と掃除が行き届いてなかったトイレの掃除。この年末からは定期的にメンテナンスして、気持ちのよい新年を迎えたいと思います。

 

取材・文/西村智宏 画像提供/TOTO

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