頑張っていることは応援を

── HSCの子どもに接するとき、工夫することはありますか。

 

杉本さん:
誠実に接することが一番だと思っています。子どもだからとか、腫れ物に触るように気をつかうことが必要ではなくて、誠実にひとりの人として接することが大事です。

 

HSCの子はどう思われているか感じ取るので、相手が本当に思ったことを言っているのかどうか伝わるんです。子ども騙しはわかってしまうので、大人が誠実に対応することがすべてだと思います。

 

HSCに子どもらしさを求めると上手くいかないんですよね。会社で疲れて帰ってきた大人のような想像をするといいでしょう。学校に行ったら学校で気をつかってくるので、帰ってきてぐったりしていても、その疲れを癒やすことができるよう、環境を整え、見守れたらいいと思います。睡眠をしっかり取らせると元気になる子も多いです。

 

家でリラックスする子ども(イメージ)

家でしっかり休めるようにする一方で、頑張っていることがあれば応援することも大事です。本人が頑張りたいことは、頑張れるポイントがあるので、その部分はできる限り、応援するのがいいでしょう。

 

 PROFILE 杉本景子さん

公認心理師、看護師、保護司。NPO法人千葉こども家庭支援センター理事長。千葉市スクールメディカルアドバイザー。不登校児童生徒をサポートするフリースクール「ペガサス」を千葉市に開設。

 

取材・文/天野佳代子 写真/PIXTA 本人写真/杉本さん提供