実母の介護生活15年目を迎えるフリーアナウンサーの駒村多恵さん。生放送の仕事を抱えながら、シングル介護はさぞ大変かと思いきや、「在宅介護は、自分の性格にもあっているから意外と楽しい」のだとか。介護と仕事、どう両立させているのでしょうか。(全5回中の4回)
知識ゼロからの介護生活スタート
── 駒村さんは、約14年お母様の介護をされているそうですね。駒村さんが何歳くらいの頃から介護が始まったのでしょうか?
駒村さん:
私が30代の頃からですね。当時、朝の情報番組『ズームイン!!SUPER』に出ていたときからです。私ひとりでは十分な介護ができないので、介護サービスを利用しようと決めました。
── どのように介護サービスをスタートしましたか?
駒村さん:
まずは、介護保険のスペシャリストであるケアマネジャー(介護支援専門員)を探すことに。ケアマネジャーは、介護を必要とする方が適切な介護保険サービスを受けられるように、ケアプランを組み立てたり、デイサービスなど介護事業者との調整をしてくれる人です。
── どうやってケアマネジャーを選んだのでしょうか?
駒村さん:
はじめは、地域包括支援センターで紹介してもらおうと思ったんです。でも、人数が多くて絞り込めず。デイサービスの見学に行ったついでに、「いいケアマネジャーさんはいませんか?」とお話すると、何人か紹介してもらいました。
最初は超ベテランの方に決めたものの、3か月後には定年で退職。とても相性が良かったんですが。
ただ、今のケアマネジャーさんは、前のケアマネジャーさんからの紹介で、同じく安心できる方です。現在15年目になりますね。ケアマネジャーさんとは長いおつき合いになるので、信頼関係を結べる人かどうか、見極めることが大事かなと思います。
── とても上手に社会福祉を活用されていますね。
駒村さん:
情報番組のリポーターをやっていることもあり、調べたり、解決策を考えたりするのが好きなんです。課題があったら、まずは情報収集をする。専門家の意見を聞き、ベストな解決策を提示する。仕事でいつもやっているし、もともと好きなことだから、つい体が動いちゃう。
── 駒村さんは、お仕事をされながら在宅介護されてますよね。施設への入所を考えたことはありますか?
駒村さん:
在宅介護は母の希望だったんです。それにお金の面でも在宅のほうが圧倒的に安いので。あと、これは14年間介護した結果ですが、私の性格上、在宅介護のほうが向いてるなと思ったんです。たとえば母の様子がおかしいと感じたら、すぐ原因を調べて解決策を講じたい。すぐ動きたいんです。
同時に絶対在宅だけで頑張るわけでもありません。母の体調や私の仕事など、施設に預ける線引きも決めているし、実際に母を3か月預けたこともあります。臨機応変に対応するのが一番ですね。