25年前、授乳服の製造・販売事業を立ち上げ、子連れ出勤を提唱したモーハウス代表・光畑由佳さん。彼女は昨年夏、女性リーダー養成研修のためアメリカに滞在していました。女性が産後も当たり前に働く時代になり、役目は終えたかと考えたこともあったという光畑さんの、次なる挑戦について聞きました。

岐路に立たされる授乳服事業

── 1997年にスタートしたモーハウス。約5年で法人化した後も、子連れ外出をラクにする企業のコンセプトや子連れ出勤を認めるあり方が評価され、「グッドデザイン賞」(2010年)や「中小企業庁長官賞」(2011年)を受賞、経済産業省「ダイバーシティ経営100選」に選ばれるなど、順調な歩みでしたね。

 

光畑さん:
スタッフが赤ちゃんを抱っこしながら、ユーザーであるママに授乳服を提案するというスタイル、子連れ出勤でママと社会をつなぐという考え方は注目を集め、さまざまなメディアに取り上げられました。そういう意味では順調でしたね。

 

2010年の授乳服へのグッドデザイン賞受賞に続き、2015年には「ネパール被災地支援プログラム」でもグッドデザイン賞を受賞

ただ、このやり方って、儲けはそれほどないんです。そんななかコロナ禍になり、お店の維持そのものが難しくなりました。

 

これまでは、百貨店やショッピングセンターがCSR(企業の社会貢献)の一環でモーハウスにいい場所を貸してくださっていたのですが、百貨店やショッピングセンターそのものも時代の流れで閉館になったり…。

 

── コロナ禍の影響はモーハウスにも及んでいたのですね。

 

光畑さん:
子育てしながらの育児も一般的になってきたし、私たちの事業も縮小していいのかなと考えることもありました。