寝具やカーペット、食品などで増殖し、アレルギーの原因となるダニ。大掃除は普段行き届かないところまで対策するのに適した機会だといいます。一般的なダニ対策で見落としがちな点について、長年にわたりダニの研究を続け、アレルギー症状軽減のための調査・指導を行っている医学博士・髙岡正敏先生にお話を聞きました(全3回中の3回)。

ぬいぐるみやベビーカー、抱っこ紐にもダニが!

── ダニアレルギーはお子さんに多いそうですね。子どもが接する点で、気をつけるべきものはありますか?

 

髙岡先生:
寝具類やクッション類の対策をきちんとされている方なら、気をつけていると思いますが、ぬいぐるみはダニの温床になりやすいです。抱っこしたり、布団で一緒に寝たりすると、ダニが好む温度や湿度になり、どうしてもダニが増えてしまいます。

 

できるだけ乾燥させて表面を掃除機で吸い取るほか、定期的に洗濯して、中までしっかり乾かしてください。

 

使っていないけど、捨てたくないぬいぐるみがある場合。出しっ放しにせず、洗濯・乾燥したら乾燥材や脱酸素剤と一緒にビニール袋に入れ、密閉して保管するのがおすすめです。布団圧縮袋のような、空気を抜いてしまう方法もいいですね。

 

ダニの温床となりやすいベビーカーのマット類
画像はイメージです

── ほかに見落としがちなもので、ダニが多くいるものはあるのでしょうか?

 

髙岡先生:
勉強机や食卓の椅子のほかに、小さいお子さんに関連してクッション部分があるものでは、チャイルドシートやベビーカー。

 

家の外で使うものですし、汚れが目立ちにくいことも多いため、盲点になりやすいです。汚れに気をつけるだけでなく、定期的に表面を掃除機で吸い取るようにしてください。

 

あと意外なところでは、おんぶ紐や抱っこ紐。天然素材でも化学繊維でも、繊維素材はダニが好みますし、子どもが掴んだり、よだれがついたりして汚れます。素材によって汚れを落とす方法は違うと思いますが、定期的に洗濯するか洗剤で洗い、しっかり乾燥させてください。