子どもはどんどん外に出す
子どもを育てる上では、必ずどこかのタイミングで第三者に子どもを託すときがきます。保護者以外の「良き指導者」に出会えるかどうかは、子どもの人生において非常に重要な要素です。
中学受験を考えているならば、少なくとも小学5〜6年の2年間。高校受験であれば、少なくとも中学2〜3年の2年間。
保護者はこれまで子どもにかけてきた時間や労力から手を引いて、外部に子どもを委託することを意識してみてください。
一般的に、受験という舞台で勝負する場合、家庭だけでは限界があります。
コロナ禍をきっかけにリモート環境が一気に進み、自宅でもオンラインで学習できるようになりました。しかし、家ではリアルの刺激を受けることができないという点で私はあまりポジティブにはとらえていません。
勉強でもスポーツでも、子どもはどこかのタイミングで自立させなければならない。
そのためには、子どもはどんどん外に出したほうがいいと考えています。
外でいろいろな人と接することで、勉強以外のことを学んでくるケースもあるでしょう。
例えば競馬好きの先生がいれば、子どもも競馬好きになるかもしれない。競馬をしない家庭の子にとって、それは、保護者が与えることができなかった出会いであり、経験です。
今まで知らなかった価値観と触れ合うことで、子どもの人生はより豊かになっていくでしょう。
子どもにとっての幸せは何か、合う塾はどこか、伸びる学校はどこか。
お金と時間をかけやすい一人っ子だからこそ、保護者は子どもを囲い込むのではなく、しっかりリサーチして子どもの世界を広げてあげてください。
そして、いったん子どもを外に出した以上は、あまり口を出さないこと。それも将来の共依存を回避するひとつの方法です。
監修/富永雄輔 取材・構成/編集部 イラスト/おなか