自宅の庭で育てた植物を使って、妖精のドレスを作っているFairy's Dressさん。小学生のころに起立性調節障害を発症し、その後、うつ状態になったことを公表しながら活動しています。病気の経験が、Fairy's Dressさんの創作活動にどのような影響を与えたのか。お話を伺いました。
小学校6年生で起立性調節障害に
── 起立性調節障害だと分かった経緯を教えてください。
Fairy’s Dressさん:
小学6年生の冬休み、ちょうど中学受験の時期に突然、朝起きられなくなりました。体もすごくだるくて。3歳上の姉も、既に起立性調節障害を発症していたので、私も姉と同じ病気を発症したんだとすぐに分かりました。
姉のときは、まだ起立性調節障害についてあまり知られておらず、病名が分かるまで時間がかかりました。
起立性調節障害は、家族や学校の先生から病気だと理解してもらえなかったり「とにかく気合いだ」「やる気を出せ」と言われたり、本人がすごくツラい思いをするケースが多いんです。母も姉も、病名が分からないなか、ツラい気持ちだったと思います。
でも、私の場合、家族も学校の先生たちも、私の症状を理解してくれたので、そういった経験はしなくて済みました。
── 中学に進学してから、症状は快方に向かったのでしょうか?
Fairy’s Dressさん:
中学校の先生方も丁寧に対応してくれたのですが、症状が悪化してしまい、結局一度も授業に出られませんでした。毎日ベッドで横になり、趣味のガーデニングも体調が良い日だけ、細々と続けている状態でした。
高校進学は諦めたものの、高卒認定試験のための勉強は独学で続けていました。
でも、自分ひとりで合格を目指すことに限界を感じて、17歳のときに個別指導の予備校に通い始めたんです。その頃には、朝起きられるようになっていたので、病気は快方に向かっていたんだと思います。
── 病気が快方に向かって、予備校は楽しく通えましたか?
Fairy’s Dressさん:
いえ、予備校時代もツラいことが多かったです。
18歳のときに高卒認定試験に無事合格して、次は大学進学を目指して勉強を始めましたが、「同世代と同じような人生はもう歩めないんだ」という思いが募って、強い不安や焦りを感じるようになりました。
そのうちうつ状態になり、予備校にも通えなくなってしまいました。