小さな花びらが重なる、可憐な「妖精のドレス」。作家のFairy's Dressさんが、花びらや葉、どんぐりなど、ご自身の庭で育てた植物を使って作っています。繊細で美しい作品を生み出すFairy's Dressさんの人柄や、作品の背景に迫りました。

 

2021年5月、大きな反響があった紫陽花のドレス

うつ療養中に思い出した「幼い頃の憧れ」

── 小さい頃はどんなお子さんでしたか?

 

Fairy’s Dressさん:
読書が大好きで、絵本や童話の世界に憧れる子どもでした。とくにグリム童話の「ゆきばらとべにばら」が好きで、赤いバラと白いバラが植えられた、主人公たちのお庭の情景によく思いを巡らせていました。

 

──  妖精のドレスを作り始めたきっかけは何だったのでしょうか? 

 

Fairy’s Dressさん:
小学2年生のころ、自宅の庭で遊んでいたとき、ふと「お花で妖精のドレスが作れるかも」とひらめいて、作ってみたのが最初のきっかけです。

 

当時、祖母がガーデニングの本をプレゼントしてくれて、美しい庭に対する憧れの気持ちもありました。

 

── うまく作れましたか? 

 

Fairy’s Dressさん:
いえ、当時はまだ小学校低学年だったこともあって、イメージ通りには作れませんでした。

 

それ以降、ドレスを作ることはなかったのですが、20歳でうつ状態になり、自宅療養しているときに、ふとその体験を思い出して。「今なら上手に作れるかも」と思って、もう一度作ってみたんです。

 

無心になれる時間が楽しかったのと、何より「もっとうまく作りたい」という思いもあって、その日を境にお花でドレスを作るようになりました。

 

── 2021年5月末にTwitterに投稿された作品は、18万いいねされたそうですね。大きな反響を得て、どんな風に感じましたか?

 

Fairy’s Dressさん:
妖精のドレスを作り始めて1か月ほど経ったころ、SNSに作品を投稿してみたら、思いがけずたくさんの反響をいただき驚きました。同時に、作品を見て「可愛い」とか「素敵」と言ってもらえて、とても嬉しかったです。

 

拡散された日がちょうど誕生日だったので、「神様からのプレゼントなのかな」と感じました。

 

今もSNSや展示会、作品販売を通じて、若い方からお年を召した方まで、幅広い年代の方から感想をいただきます。すべての声がじーんと心に響いて、嬉しいです。

 

「どうやって作っているの?」と、興味を持っていただけることも喜びのひとつですね。