作品の二次利用料が支払われないことも

──​ イラストや文書をさまざまなところで二次利用されていることに気づいたが、使用料が支払われない、というトラブルも聞きます。

 

上谷さん:
仕事の依頼内容から再利用が想定される場合は、相場に合わせて「これくらいの金額が発生するのでは」と問い合わせることが大事です。また、自分のイラストや作品が再利用されているのを見かけたときは、たとえ事後であっても「通常は再利用料金が発生すると認識していますが」と問い合わせてみましょう。

 

──​ 最初に条件として提示されていなくても、報酬に関わることは細かく問い合わせたほうがよさそうですね。

 

上谷さん:
そうです。たとえば、主婦が家事の合間に仕事をしていたとしても、やる気とプライドを持って取り組んでいるはずですよね。クライアントにも遠慮せずに、条件に関して納得ができなければきちんと言えるようになってほしいなと思います。

 

──​ 受け身の姿勢ではダメなのですね。

 

上谷さん:
日本人は面と向かって言いづらい人が多いようですね。その場合はメールで「今回の報酬の条件を提示していただけますか」というひと言を添えてみる。それを無視するようなクライアントなら、依頼を受けない勇気を持つことも大切です。

 

PROFILE 上谷さくらさん

弁護士(桜みらい法律事務所)。青山学院大学法学部を卒業し、毎日新聞社入社。 記者として甲府支局で事件取材などに携わった。新聞社を退社後、司法試験に合格。2007年に弁護士登録(第一東京弁護士会)。著書『暮らし・お金・老後… おひとりさまの心配ごと、すべて解決してください!法律と制度を味方につければ、1人でも自分を守れる!』(Gakken)など。

取材・文/池守りぜね イラスト/まゆか!