ネット配信が増え、ひとつの番組を同じ曜日、同じ時間に見続ける習慣のある人は、昔と比べて減っているように思います。そんな時代にあって、わが家の義母はNHKの朝ドラを毎回、楽しみにしています。Twitterでも連日トレンド入りするなど話題が多かった今年の作品。今回は義母の朝ドラ視聴スタイルから考えたことを綴ります。
朝ドラはもはや時計がわり
わが家の朝はいつも朝ドラとともに始まります。もはやそれは時計がわり。
午前7時15分はBSの過去の朝ドラ再放送、そのまま7時30分から7時45分まで現在の朝ドラ、少し時間を空けて8時から8時15分まで地上波で放送される本放送…という流れを月〜金曜まで欠かさず、さらに土曜の総集編まで毎日繰り返しています。
とはいっても、熱心に観ているのはおもに義母ひとり。義母はここ数十年、朝ドラを欠かさずチェックし続けてきた、筋金入りの朝ドラウォッチャーなのです。
私自身はそれほど興味がないうえ、たいていはドラマの途中で家を出てしまうのですが、毎朝目にしているとなんとなくストーリーは把握できるようになります。さらにそんな私のために、義母は毎朝、私が観損ねた部分の説明をしてくれます。
「私はそんなに興味ない…」というのも薄情なので、化粧をしたり食事をしたりする合間に朝ドラを観て、さらに義母の解説にも耳を傾けるというマルチタスクが求められます。い、忙しい…。
Twitterで過熱する朝ドラ論争
義母のように熱心な朝ドラファンの方は全国に多くいらっしゃるようで、通勤中にTwitterをぼんやり眺めていると、朝ドラの実況や感想ツイートがたくさん目に入ってきます。
今年放映されていた作品は、展開が突飛すぎると酷評するツイートも多く、批判専用のハッシュタグまで作られていました(なんと今年の流行語大賞にもノミネートされていました。それは果たしてどうなんだ?という気もします)。
ここが面白くない、いやそんなことはない、と、批判派と擁護派の間に巻き起こる過熱気味の論争を目にすることもたびたびでした。
突飛な展開…そう言われてみると確かにそうかもなぁと、熱心な視聴者ではない私はなんとなく色眼鏡で毎朝のストーリーを追うようになっていました。
そんな意識で観ていると、細かい粗がよりいっそう目につくように感じられ、それをSNSで誰かに話して共有したい、という気持ちになることもしばしば。
なるほどこういう楽しみ方には中毒性があるな、観ないほうが精神衛生上いいかもな、と思いはじめてふと、私と違って熱心な視聴者である義母は今回の作品をどんなふうに感じているのだろうか?と気になりました。