スモークサーモンの製造や販売を行っている王子サーモン株式会社。スーパーでサーモンの切り身を買う参考になればと「鮭の切り身の一覧表」をツイートしたところ、6万を超えるいいねがつきました。立役者である王子サーモン株式会社の中の人に詳しく話を伺いました。

 

まず見極めるべきは「天然」か「養殖」か

スーパーで陳列されている鮭の切り身ですが、どの部分の切身を買ったらいいか悩むことはありませんか?そのようなときにぜひ参考にしたいのが、今回SNSで話題となった「鮭の切り身の形一覧表」です。

 

見極める前に確認したいのが、「天然」なのか「養殖」かということ。

 

「鮭は天然と養殖では特徴が大きく異なります。天然は身が締まっていて濃厚な味が楽しめ、養殖は全体に脂がのっています。どちらかというと天然のほうが、切り身の形によって味の違いがあります」と中の人。

 

「天然」か「養殖」かはパッケージを見ればわかります。

 

「養殖の場合はパッケージの値段を記載したシールの部分に書かれています。書かれていなかったら天然ものですね」

 

時期にもよりますが、スーパーで売られている鮭の半分以上が養殖だそうです。

 

サーモンの種類によっても、「天然」なのか「養殖」かを見極めることもできます。

 

「サーモンと言っても実は種類はいろいろです。紅鮭や白鮭は今のところ、流通しているのは天然のみです。キングサーモン、アトランティックサーモン、銀鮭、サーモントラウトなどは、ほとんどが養殖ですね」

天然と養殖の切り身の選び方は?

天然と養殖、どちらの鮭を買うか決めたら、次は切り身の選び方です。ポイントは、尻尾なのか、頭(カマ)側なのか。それぞれで特徴が異なります。

 

養殖の鮭の場合は、カマ側に近いところほど脂がのっています。真ん中あたりは、ほどよい脂ののり具合。内臓を包んでいた脂ののった部分を「ハラス」と言いますが、ハラスの部分に厚みがあって焦げにくいそう。

 

青枠が脂たっぷりの「ハラス」
青枠が脂たっぷりの「ハラス」

「養殖は全体に脂がのっているため、形による味の違いはそこまでありません。個人的には真ん中の3切れと尻尾側の3切れがおすすめです」と中の人。尻尾側の3切れは骨がすべて表面に出ているのでとても食べやすく、子どもにも与えやすいそうです。

 

一方、天然の鮭は養殖に比べて、切り身ごとに味の特徴に違いが出ることが。焼きたてが美味しいのがカマ側で、尻尾にいくほど身に弾力があり、冷めても美味しい。翌日のおにぎりの具にするなら、尻尾側がおすすめだそう。

 

「天然も、養殖同様、尻尾側は食べやすいです。おすすめは、カマ側から3〜4切れ目のハラスが厚い部分です」と中の人。

 

ちなみに、カマ側と尻尾側の見分け方は中骨の寄り方で判断がつきます。中骨がどちらかに寄っているとカマ側で、中央に近いほど尻尾側になります。

全国に広がる「ご当地サーモン」も!?

今回、6万を超える反響があった理由を中の人に聞いてみると、意外な事実が!

 

「鮭人気がまずは大きな理由だと思うのですが、それに加えて、実はこれまで鮭業界から鮭の切り身ごとの特徴について発信することはあまりありませんでした。また、工場で加工された魚の製品しか見たことがない方が増えているのではないかと感じます。そのため、新鮮な情報に感じてもらえたのかもしれませんね」

 

最近では日本全国で鮭の養殖がさらに盛んになっているそう。北海道や東北以外でもご当地サーモンが広がっています。もしかしたらみなさんの地元にも、ご当地サーモンがあるかも…!?

 

「天然や養殖についていろいろと発信しましたが、基本的には鮭の切り身はどこも美味しいです!でも、それぞれの特徴を知れば、もっと食事を楽しめるはず。新しい発見をしながら、ぜひ自分の好みの部位を見つけてみてください」(中の人)

取材・文/酒井明子 写真提供/王子サーモン株式会社