「やること山ほど」入園が決まっても保活は続く
保活スタートから2か月、最初の申請で内定がでました。
「優先順位が高かった園はいずれも申請時点で募集はありませんでした。ただ、空きが出る可能性があるので、比較・検討してきた結果を踏まえ、記入していきました。
最終的に内定が出たのは、6名の空きがあった第24希望の園でしたが、10月で6名の入園が決まり定員いっぱいに。
1日でも書類提出が遅れていたら、この園にも決まらず、どこにも入れなかったかもしれません。ギリギリ滑り込みで入園できて、本当に運が良かったです」
中途入園の場合、内定から入園までは10日ほどしかないため、入園準備も大変です。
健康診断や入園書類の記入はもちろん、保育園に預ける着替えや布団を準備し、それぞれにひとつずつ記名するなど、やることは山ほどありました。
入園しても、いきなり8時間や11時間、子どもを預かってもらえるわけではありません。「慣らし保育」で最初の3日間は30分だけ、次の3日間は1時間だけと徐々に保育時間を延長。
復職する日を目指して保育標準時間の11時間、保育園に預けられるように、子どもを環境に慣らしていきます。保育園の内定が保活のゴールではありません。
「妻の病気がなくても、保活をふくめ育児には積極的に取り組むつもりでした。実際、大変でしたが、やって良かったです。
女性は大変な妊娠期間を経て、出産の恐怖に耐え、命がけで出産をしてくれます。夫は命がけで妊娠・出産以外のことを全部やらなければいけないと思って、今後も取り組んでいきます」
PROFILE 木村真吾さん
大学で生物学を専攻し、現在は培養肉などの研究開発を行うベンチャー企業の研究員。博士(生命科学)。専門分野は遺伝学、脳神経科学、バイオインフォマティクスなど
取材・文/清宮あやこ 写真提供/木村真吾