子どもを後ろに2人乗せられる三輪の「ふたごじてんしゃ」。発案した中原美智子さんは、二輪自転車で子どもの送迎などでヒヤッとしたり、不安を覚える親御さんに利用してほしいと願います。販売も「アセスメント販売(R)」という変わった方法を導入。その根底にあるのは、「安全に自転車に乗ってほしい」と願う思いでした。
量産化を目指し、3児の母が起業へ
中原さんは2010年に双子を出産。公園に行こうとして、前と後ろに子どもを乗せる二輪自転車で転倒した経験があります。
転びにくく安定した自転車が欲しいと考え、2011年からお店やメーカーなどに問い合わせや依頼を開始。2014年2月にあるリヤカーメーカーに協力が得られることに。
2014年9月、道路交通法の規則にも準じた形で後ろに子どもを2人乗せられる三輪自転車「ふたごじてんしゃ」を開発しました。
「念願の三輪自転車が完成したとき、これを製品化させて私と同じように子どもとの移動に困っているママに喜んでもらいたいと思いました。全力で取り組もうと、起業することに。
ただ、最初に試作車を作ってくれたリヤカーメーカーとは、残念ながら協力関係が解消されてしまったんです。
だから試作車を持って“この自転車を製品化したいので、誰か手を貸してもらえませんか?”と、異業種交流会やママ向けのフェスなどに積極的に参加し始めました」
試作車ができる前から、「子どもを後ろに2人乗せても安定感がある三輪自転車を作りたい」と周囲に話していた中原さんですが、なかなかその良さや安全性が伝わらず、賛同が得られませんでした。
それが、試作車が1台あるだけで多くの人の関心を集められるように。マスコミにも注目されました。
「何かやり遂げたいことがあったら、夢を語るだけでなく、どんなに小さな規模でも形にすることが大事だと痛感しました。
積極的に行動することで本気度が伝わり、周囲も協力してくれた気がします」
精力的な活動が自転車用品や部品の開発製造・販売を行うOGK技研株式会社の目に留まり、ようやく製品化が決まったのです。