「添い寝」するときに親が絶対やってはいけないこと
── 赤ちゃんの窒息事故を防ぐために、その他にどんなことを注意すればよいでしょうか?
愛波さん:
寝返りと寝返り返りができるようになるまでは、仰向けで寝かせるようにしてください。米国小児学会でもそのように指導されています。
うつぶせで寝ると、窒息リスクだけでなく、乳幼児突然死症候群(SIDS)の可能性が高くなるといわれています。
頭の変形を気にしてうつぶせ寝をさせる方もいらっしゃいますが、その場合は、うつぶせ遊びを日中に多めにしてあげることをおすすめします。アメリカはではタミータイムといい、生後数日から行っています。
また、敷布団やマットレスは固めのタイプを使うほうが安全です。クッションタイプのベッドガードやバンパーも危険なので使用しないでください。
── 住環境によっては、ベビーベッドが置けない、置かないこともあるかと思います。ベビーベッドを使用せず、添い寝をする場合はどうでしょうか?
愛波さん:
アメリカの小児科学会では、赤ちゃんが寝るときはベビーベッドがもっとも安全だといわれています。しかし、安全性に十分配慮すれば添い寝をすることがダメなわけではありません。
添い寝の場合でも、赤ちゃんに大人の掛け布団や枕などが赤ちゃんにかからないように十分配慮しましょう。大人の体や腕で赤ちゃんを圧迫しないようにすることも大切です。
また、お酒や睡眠薬、眠くなる成分の入った薬などを服用した際の添い寝も赤ちゃんの異変に気づけない恐れがあるので避けましょう。
赤ちゃんを安全な環境におくことで、ママやパパも安心して眠りにつくことができます。親子ともに睡眠の質を上げて、健やかに過ごしてください。
PROFILE 愛波文(あいば・あや)さん
乳幼児睡眠コンサルタント。慶應義塾大学卒業後、外資系企業勤務を経て、2012年に長男を出産。夜泣きや子育てに悩んだことから乳幼児の睡眠科学の勉強を始め、2014年に米国IPHI公認資格を日本人で初めて取得。現在は2児の子育てをしながら、子供の睡眠に関するコンサルティングや講演・執筆など幅広く活動中。著書『ママと赤ちゃんのぐっすり本』など
取材・文/大浦綾子