押さえておきたい、4年生以降の「教科書の内容」

いずれにせよ、勉強のサポートは、お子さんの心の土台が整ってからです。安心した表情、身構えることなく言葉が出るなど、様子が安定して見られるようになってきたら、取り組み始めるとよいと思います。

 

大切なのは、教科書の内容を理解しておくこと。中学校の学習内容は、小学校の教科書の内容を前提に構成されているので、親御さんは学習指導要領を一読しておくとよいでしょう。ボリュームがあるので読むのは少し大変ですが、国がどのような力を育もうとしているのかを把握したうえで教科書を見ると、重要なポイントが理解できるはずです。

 

とくに小学4年生以降の内容を押さえておくと、中学からの学習に入っていきやすいです。

 

例えば、4年生以降で習う算数の図形の問題は中学1年生の数学の内容とほぼ同じですし、5~6年生の四則計算に慣れておくと中学での正負の概念や文字式も苦労しません。

 

要注意の科目は、小学校でも教科化された英語です。親世代が中学2年生で習った現在進行形や過去形などを、今は中学1年生で学ぶようになっています。小学校で扱った600~700の英単語や文法が身についていることが前提で授業が進むので、ちゃんと勉強しておかないと中学入学後がハードです。

 

実際、中学入学後の1学期で英語につまずく子が現在2~3割にものぼると聞きますので、余裕を持たせる形で勉強しておきましょう。小学校英語の単語集や基本文法を学ぶドリルなどを活用するほか、英検に挑戦してみるのもよいと思います。

 

学校検定教科書を扱う書店が近くにある場合は、中学校の教科書も手に入れて読んでおくとより安心です。それが難しければ、中学入学準備ドリルなどに取り組み、見通しを持っておくとよいでしょう。

 

また、学校は時間割で動くので、朝の8時台から学習を始められるよう就寝と起床の時間を整えておくことも大切。いすに座って姿勢を保つ力が落ちていると授業に集中できないので、運動不足の場合は体幹トレーニングなどもしておくとよいと思います。

 

PROFILE 小川大介さん

教育家・見守る子育て研究所(R)所長。京大法卒。30年の中学受験指導と6000回の面談で培った洞察力と的確な助言により、幼児低学年からの能力育成、子育て支援で実績を重ねる。メディア出演・著書多数。Youtubeチャンネル「見守る子育て研究所」。


取材・構成/佐藤ちひろ イラスト/まゆか!