2025年にはすべてのカカオ原料を切り替え

──  ほかの商品はどのようになっていくのでしょうか。

 

担当者:
有楽製菓は2025年にすべてのカカオ原料の切り替えを目標に対応を進めております。

 

現段階で当社が使用する約88%のカカオ原料は既に児童労働撤廃に取り組む、人権に配慮されたものに変更されています。

 

── 支援金の支払いによって原価が上がりそうですが、商品価格はどうなりますか。

 

担当者:
この取り組みにおける商品価格の変更はございません。

 

── それはどのようにして実現しているのでしょうか。

 

担当者:
商品の開発努力やその他のコスト削減など企業努力による工夫をしています。

 

河合 辰信代表取締役社長が児童労働撤廃に取り組んでいるガーナのカカオ農園を訪問した際の農家の人と撮った写真

── 今後、ほかのメーカーなどにも児童労働なしのカカオは広がっていくのでしょうか。

 

担当者:
多くの方にカカオ農家の実情を知っていただき、少しでも考えが変わっていくことを願っております。

 

すでに取り組みが進んでいる大手メーカー様はいらっしゃいます。しかしまだまだ、業界全体では世界に比べて取り組みが遅れています。児童労働をなくすという考えが今後より多くのメーカーへ広がっていけばよいと考えております。

 

最終的には世界から児童労働がなくなることを願っています。微力ながら弊社の取り組みがその一助となれば幸いです。

 

また、ブラックサンダーの取り組みを通じて、消費者の皆様が少しでも児童労働の問題について認識し、考えていただけるきっかけになればうれしいです。

 

取材・文/天野佳代子 写真提供/有楽製菓