「お寿司を運ぶねこ」「餃子をMacBookのように持ち運ぶねこ」など、愛嬌たっぷりのねこちゃんがおかしなものを運んで歩くモチーフ「運ぶねこ」シリーズ。作品を手がける刺繍作家のSUIMINさんに、同シリーズ誕生のきっかけや、その反響の大きさについてうかがいました。
最初に運んだのは「サンマ」だった
──「運ぶねこ」シリーズをはじめ、作品がSNSで大人気のSUIMINさんですが、今の活動はいつ頃から始められたのでしょうか?
SUIMINさん:
わたしが刺繍そのものを始めたのは、2016年のこと。「SUIMIN」として作品の販売を始めたのが11月のことだったので、今年で丸6年目ですね。当初から、ねこのモチーフを中心に作っていました。
多くの人に知っていただくきっかけとなった「運ぶねこ」が誕生したのは翌年。秋だったので、「ねこにサンマを持たせてみたらおもしろいかな?」と特に深くは考えずに、作ってみたんです。
制作していても楽しくて、Instagramでも嬉しい反響をいただくことができたので、次に焼きサンマ、アジの干物、たい焼き…といった具合に作品を増やしていきました。ですが「シリーズ化していこう」などどいう構想は、当時はまったくなかったんですよ。
反響が大きくなるにつれ、企業から製品化などのお声がけをいただくことが多くなって、「これは名前があったほうが良さそうだ」と考えて。そこで、いろいろと悩んだ末に「運ぶねこ」としました。そのままなんですけどね。
── そこからシリーズがスタートしたんですね。今ではその姿に、たくさんの人が癒やされていますが、なかでも「こういうものを運んでいる作品が人気」といった傾向はあるのでしょうか?
SUIMINさん:
やはり、お寿司がいちばん人気ですね。もともとは、年明けのイベント販売のために作ったものだったんです。お正月なので「ちょっとおめでたいものを運ばせたいな」と思い、選んだのがお寿司でした。
お寿司はたくさんネタの種類がありますし、グッズをたくさん集めてくださっている方も多いようでありがたいです。
特に「こういうものしか運ばせない!」といった強いこだわりはないのですが、以前にお酒を運ぶねこのオーダーをご相談いただいたときは、「お酒はちょっと作りづらいかもなあ…」と思ったことがありました。
「運ぶねこ」について明確な設定は特に公表していませんが、ちょっとお手伝いをしている、悪気なくもらってきちゃった…そんなイメージでお届けしたいので、なるべくほっこりとしたものを運ばせてあげたいな、とは思っています。