2枚目調理でさらに判明したこと
さらに、2枚目の肉を調理し始めると、フライヤーから白い煙がモクモクと立ち昇りはじめました。
慌ててスイッチを切り、取扱説明書をもう一度よく読むと、なんと、一度調理が終わったバスケットは、冷ましてから落ちた衣のカケラなどを取り除き、洗ってから使わなければならないと書いてあるのです。
続けて2枚目の肉を調理してしまったので、衣のカスが焦げて発煙していたのでした。
というわけで、1枚のトンカツを余熱に数分、加熱に12分かけて調理し、フライヤーを冷ましてからバスケットを洗い、拭き、また余熱し…。
家族分、6枚のトンカツを調理し終わるのに、なんと2時間近くを要したのでした。
出来上がりはあっさりとしていながらもサクサクで、ヘルシーなことも間違いなく、満足のいく出来でした。
これはもう、機能の問題というより、単純にニーズの食い違いです。2人家族や、まだお子さんが小さい核家族などにはピッタリの製品でしょう。
しかしわが家は義父母と息子夫婦、食べ盛りの子ども2人の6人家族です。初期型のエアフライヤーには荷が重すぎる調理量だったのです。
便利機能を持つ家電たちの行方
そんな不遇なエアフライヤー、当然その後、私は使うことなく、義母も数回ポテトを揚げるとあっという間に飽き、「なんかこれ邪魔よね」という購入者のひと言で納戸の奥に仕舞い込まれることとなったのでした。
さらにわが家にはスチームを出すフローリング用モップや足のマッサージャーなど、義母の思いつきで買ってはお蔵入りした家電がいくつかあります。
決して製品としては悪くないものですが、例えばフローリングモップは、そもそも床を拭く前に掃除機をかけなければ…という状況がほとんどで、わが家には適していませんでした。今ではリビングの隅でホコリをかぶっています。
足のマッサージャーは「思ったより大きくて掃除の邪魔」という理由で同じく仕舞い込まれています。
よく考えてから買えばいいのになぁ…と思うのですが、そういえば私も数年前、家庭用高圧洗浄機を勢いで買って以来、2回しか使っていません。そのことを思い出し、そっと口をつぐむしかないのでした。
文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ