80代義父の趣味である家庭菜園。収穫される野菜があまりに大量で消費しきれず、10数年、悲鳴を上げ続けてきました。義父の加齢により、この問題はようやく終わりが見えたかと思ったのですが…。

家庭菜園の野菜との戦い

「来年はもう、畑は借りない」

 

義父がそう断言したのは、今年の夏のことでした。

 

この家で二世帯同居を始めてから、10数年。その長きに渡り、義父が作る家庭菜園の野菜の消費に頭を悩ませ続けていた私は、内心でガッツポーズをしました。

 

やっと、やっとあの夏野菜地獄から解放される…!

 

なにせ、生産量が半端ではないのです。特にキュウリやトマトが急成長する夏野菜の収穫は毎日大きなビニール袋が満杯になるレベル。

 

ご近所におすそ分けしようにも、義父が野菜を作っているのは自治会で共同で借り上げている菜園です。

 

主だったお友達やご近所さんはみんな野菜を作っていて、そうでないご家庭もみんなご近所からのおすそ分けで夏野菜は飽和状態。

 

冷凍したり乾燥させて保存する工夫にも限界があり、野菜の消費でヘトヘトになる、というのが私の毎年夏の恒例でした。

 

野菜を買わなくてはいけないというのは少し残念ではありますが、それでも次から次へと台所へ襲いくるキュウリの悪夢から逃れられると思えば万歳です。

 

実は、家庭菜園をやめることは、経済的でもあります。肥料や資材、苗の代金などはバカにならず、野菜がタダで手に入ることを差し引いても、それほどお得とまでは言えないからです。

 

トータルで考えて、家庭菜園よりも必要な量の野菜だけを買うほうがいい、と思うのです。

 

そんなわけで内心では大喜びしつつ、外面は一応「そうですか、お義父さんも膝が痛いって言ってましたもんね、寂しいけど仕方ないですよね」という反応をしておきました。