「笑いのプロ」として心のケアを担う

介護に関するラジオ番組「ロイヤル介護相談室(ラジオ日本)」も担当するレギュラーのお二人。(松本さんのInstagramより)

西川さん:
僕たちはいわゆる三大介護と言われる、食事の介護、入浴介助、排泄介助はやってないんです。あくまでレクリエーション介護士として、1時間の集団レクリエーションを、笑いを交えてトークしたりするという携わり方なんですよね。

 

松本さん:
いわゆる、心の介護ですよね。それこそ入浴とかは、ほんまにプロがやらないと事故にもなるので。そういう方々を僕たちはいちばんリスペクトもしてますし、その分野に入ろうという気持ちもないですよね。

 

西川さん:
だから僕らは、笑いのプロとして、心のケアを担っている。そういう意味で、偽善みたいのとはちゃうんかな、と。ルミネの劇場でやるのとそんなに変わらないですから。関係性を築いたうえで、松本くんは仲良くなった利用者さんのおじいちゃん、おばあちゃんに、けっこう言うたりするもんな。

 

松本さん:
「遺産(相続)のところに“松本くん”って名前だけ書いておいてください」とかね(笑)。

 

西川さん:
それで「おい!」とかってツッコんでもらえる。こういう、けっこうギリギリなところも言ったりするので。

 

松本さん:
もちろん人を見てやりますよ。ノリノリの利用者さんがいたら「兄貴~」とか言って。なにかあったら「兄貴~、いじめられました」みたいに、その兄貴を頼る、みたいなこともしたり。

 

西川さん:
そやな。使う言葉はわかりやすくするために、劇場とは少し変えていますけど、でもおじいちゃんおばあちゃんに「聞いてます?」とか言うたりもするので。

 

松本さん:
そうやな。赤ちゃん言葉も使わないですし。僕らのスタンスとしては失礼やなと思うので。僕らはあくまでも普通のしゃべり方を変えないようにはしてますね。

 

PROFILE レギュラー

松本康太さん、西川晃啓さんによるお笑いコンビ。1998年コンビ結成し、リズムネタ「あるある探検隊」でブレイク。2010年テレビ番組の企画で1年間宮古島に滞在し、民宿を運営。その後、介護職員初任者研修(旧ヘルパー二級)、レクリエーション介護士の資格を取得。介護をわかりやすく伝える書籍『レギュラーの介護のこと知ってはりますか?』も出版
 

取材・文/市岡ひかり 撮影/植田真紗美