介護施設の現場で、脳トレや手遊びなどの介護レクリエーションに取り組み続ける芸人・レギュラーのお二人。二人が模索し続けているのが、介護と笑いのコラボレーションです。ともすれば「イジり=バカにされている」と受け取られかねない中、いかに場の空気を読むか。高齢者の失敗も笑いに変え、恥ずかしさを感じさせないようにする。二人の挑戦について聞きました(全5回中の4回)。

 

実際の校舎を改修した吉本本社の社内でいたずらっぽく笑うレギュラーのお二人は、どこか仲良し同級生のようにも見える

見極めが難しい「ジジイ」「ババア」ネタ

── 「あるある探検隊」のネタって「ジジイ」「ババア」とか、介護現場ではきわどいフレーズが出てくるイメージがあります。

 

西川さん:
そうですね。

 

松本さん:
ただ、厳密にいうと、僕らのネタは、何回かあるあるネタをやって、最後にありえないことを言うので笑いになる、というつくりなんです。

 

最後に「ジジイのホクロを嚙みちぎる」「いや、ないないない」という。そこで「ジジイ」「ババア」とか、本来言っちゃダメなフレーズを、あるあると対極的に使っている感じなんですよね。

 

西川さん:
でも、介護施設でも「ジジイ」「ババア」とか言って、ウケるときとウケないときがあるんですよ。

 

── へえー!

 

松本さん:
めっちゃウケるときもあるんですよね。

 

西川さん:
そこの見極めは、僕らもまだわかってないですけど。「ジジイかババアかわからない」って言って、ドッカーンと笑いが来るときもある。

 

松本さん:
施設さんにも色があるので。たとえば、利用者さんがみんな顔なじみやったらウケやすい。けど、ショートステイみたいな短期の施設さんだと、ウケにくかったりする。

 

西川さん:
そうね。利用者さん同士の接点が少ないんですよね。

 

松本さん:
あんま利用者さん同士が仲が良くない状態だと、こちらが何か言っても、みんなが「ん?」ってなるんですよね。そこはやっぱり見極めなダメやなと思います。それも勉強になりましたね。

 

西川さん:
あとは利用者さんのその日の体調もありますよね。そこは難しいです。

 

「片手はパー、片手はチョキをして、入れ替える。これがけっこう難しいんです」と、介護レクの一部を紹介してくれる松本さん