介護の目的はあくまで自立支援
── 実際に勉強されてみていかがでしたか?
松本さん:
最初に知ったのが、介護って自立支援なんですよね。
西川さん:
介護の理念やね。あくまで自立が目的、という。
松本さん:
それを僕ら知らなくて。たとえば、右手が不自由であっても回復の見込みがあれば「今日はここまで頑張りましょうね」って促して、その人を自立させるための支援をする。これが介護の理念なので、この人が痛いからとか、動かしたくないからといって全部やってしまうと、その人の機能がどんどん落ちていってしまう。
西川さん:
そうそう。
松本さん:
「全部やってあげたらダメなんや」っていうのは最初に勉強したことですね。そこは認識のズレがあるんちゃうか、って今では思いますけどね。
── たとえば、どんなことですか?
松本さん:
たとえば施設に行ったときに、回復の見込みがあるけど、足を引きずってる人がいたら、施設の人は「ここまで頑張りましょう」と促す。でも、家族の人からしたら「なんでやってやらんねん。あの職員はサボってる。いけずや」って思ったりするんじゃないかな、と。でも、そこはプロが見極めてやっているんですよね。そこは一般の人に認識が広がっていない気がしますね。僕らもそうやったんで。
PROFILE レギュラー
松本康太さん、西川晃啓さんによるお笑いコンビ。1998年コンビ結成し、リズムネタ「あるある探検隊」でブレイク。2010年テレビ番組の企画で1年間宮古島に滞在し、民宿を運営。その後、介護職員初任者研修(旧ヘルパー二級)、レクリエーション介護士の資格を取得。介護をわかりやすく伝える書籍『レギュラーの介護のこと知ってはりますか?』も出版
取材・文/市岡ひかり 撮影/植田真紗美