「好き」の種を一緒に見つけてほしい
── 今でもいじめのニュースが絶えません。そういったニュースに対して、どういった思いを抱かれていますか。
川村さん:
苦しいですよね。「誰か助けてあげられる人がいなかったのかな」と思うし、いじめの形もきっと昔とは違うだろうし。今はSNSも当たり前になっているから、かわいそうだなって思います。どこかで聞いてあげられたらいいんですけど、なかなか難しいし。
いじめの子に対する講演会も、ときどきやらせていただいてるんですけど、今後も私が伝えられることがあるんだったら伝えたいな、と思います。
── 川村さんの目線から、ご両親にはどういうふうにしてあげてほしい、ということはありますか?
川村さん:
いじめの形も人によって違うので、何とも言えない部分はあるんですけど。
親子でいじめについて話せる関係だったら、やっぱり話を聞いてあげてほしいです。アウトプットすることで気持ちを少し切り離せるので、大事だな、と思うんですよね。会話がなかったとしたら、交換日記をするのでもいい。
あと、子どものときは夢中になれるものや、好きなものに時間を費やしてほしいとも思います。話が聞けなかったとしたら、いろんなところに連れて行って、いろんな世界があることを教えてほしいな、と思いますね。
自分が、興味があることが見つかったら、そこから明日に繋がる何かが見つかって、そうしたら将来的にコミュニティ仲間ができたりするかもしれない。何かを好きになれる種を見つけられる機会が少しでも増えることをしてあげてほしいですね。
PROFILE 川村エミコさん
かわむらえみこ。1979年生まれ。ピン芸人としてデビューし、2008年に白鳥久美子とお笑いコンビ・たんぽぽを結成。趣味はこけし集め、伝統こけしの目利きができる。著書に『わたしもかわいく生まれたかったな』がある。
取材・文/ふくだりょうこ 撮影/坂脇卓也