「めちゃイケ」は失敗ばかりだった

樹木の中から顔を覗かす川村さん。微笑みを添えて

── その後、「たんぽぽ」を2008年に結成されました。「たんぽぽ」さんと言えば、『めちゃめちゃ×イケてるッ!』の出演も印象的です。

 

川村さん:
コンビを組んで2年目、ちょうど30歳のときです。昔から見ていた番組だったし、『めちゃイケ』に人生を変えていただいて、本当に感謝しています。

 

── そうそうたるメンバーが揃っていましたが、『めちゃイケ』に出て学んだこと、変化したことはありますか? 

 

川村さん:
たくさんあります。メンバーの方々が自分のルール、ポリシーを持って取り組んでいらして。ひとりひとり素晴らしい方だったので、尊敬しています。

 

あと、変化と言えば『めちゃイケ』に出る前は、家がない時期もあったんですよ。先輩の家に居候させてもらったり。事務所が目黒なので、白金の風呂なしアパートに住んでいたときも。当時は「シロガネーゼじゃなくてフロガネーゼです」って言ってました(笑)。

 

それが、『めちゃイケ』に出させてもらうようになってから、トイレットペーパーに困ることもなく、食器の洗剤を薄めずに使える。日用品が買えることのありがたさを感じました。

 

 ── 生活が潤っていきますね。しかし、人気番組ゆえのプレッシャーも感じそうです。

 

川村さん:
毎回緊張するし、収録が終わっても反省ばかりでした。その度、オアシズの大久保さんに食事に連れて行ってもらってました。

 

「あれは、どうしたら良かったんでしょうか?」「もっとやれたんじゃないか?」っていう私の話に対して、いろいろアドバイスをもらって。

 

大久保さんは、『めちゃイケ』に出る前からお世話になっていましたが、『めちゃイケ』のオーディションのときもそうです。オーディションの2次審査は、「やべっち寿司」のコーナーだったんですが、そのときも大久保さんが近くに居て、「喋んな、喋んな」って、もっと前に出なって背中をトントン押してくれて。優しさを感じつつ、自分も「頑張んなきゃ!」って熱くなったのを覚えてます。

 

PROFILE 川村エミコさん

かわむらえみこ。1979年生まれ。ピン芸人としてデビューし、2008年に白鳥久美子とお笑いコンビ・たんぽぽを結成。趣味はこけし集め、伝統こけしの目利きができる。著書に『わたしもかわいく生まれたかったな』がある。

取材・文/ふくだりょうこ 撮影/坂脇卓也