小さな「好き」を積み重ねるトレーニング

── 自分の思いを伝えることを自分で許せたしょ〜こさんですが、伝えるためにどんなトレーニングをしていたんですか?

 

しょ〜こさん:
雑誌の記事のようにしっかりとした長文でなく、短文。もっというと、ひと言で自分の気持ちをアウトプットするようにしています。インスタグラムはこういう肩ひじの張らないスタンスがあり、「〜ねばならない」の思考にとらわれていた私を解放してくれました。

 

インスタグラムにある距離感って、身近なんですよね。フォロワーさんとの距離が近く、コメントがもらえてお返事もすぐにできる。そういうやりとりが嬉しくて。

 

人の温度感が手に取るようにわかるようになってから、自己肯定感がとても上がりました。

 

── 自己肯定感も上がって、もっともっと行動したいという気持ちになったそうですね。

 

しょ〜こさん:
だんだんと「誰かのためになることを伝えたい」という明確な思いが出てくるんです。そうすると緊張していた自分はますます緩み、本音を伝えられるようになっていきました。

 

── しょ〜こさんの「好き」「大切」を磨いていった結果、現在はライターの仕事を手放し、インスタグラマーへと変化しました。50代にさしかかった今、生き方がガラッと変化することは、怖くなかったのでしょうか?

 

しょ〜こさん:
もちろん怖かったですよ。「ライターの仕事を辞めて私、食べていけなかったらどうしよう!」と焦り「他に私にもできる仕事はあるのだろうか?」と、オペレーターの求人に応募してみたり。まあ、不採用でしたけど(笑)。

 

でも、自分の気持ちに蓋をしていたことに気づいてしまった以上、「本当はこうしたい」「もっと心地よい」と感じることを、いちばん大切にすると決めました。いくつになっても人生は変えられるので、きっとこれからも変わっていけると思います。

 

── 「自分の本当に好きなこと」を大切にするって簡単なようで難しいと思います。しょ〜こさんがご自身の「大切なこと」を諦めないために、どんな工夫をしているんですか?

 

しょ〜こさん:
自分の心に正直になることを心がけています。まず朝起きて、何がしたいか、したくないかを考える。小さなことでもいいと思うんです。たとえば「コーヒーと紅茶どっちがいい?」みたいな感じです。そのとき、本当に自分が欲しているものを選ぶんです。

 

スーパーで買い物するときも「安いからこっちにしよう」ではなく、「ちょっと高くても自分が欲しいもの」が何かを考える。「いつもは鶏肉だったら、今日はちょっと牛肉買ってみようか」とか。ささいなことでも、自分の気持ちに正直になる行動をし続けると、それが大きな選択をする場面でも、自分で好きなことを選び取れるようになります。

 

── ちょっとしたことの積み重ねで、自分の中の心地よさって変わっていきますよね。

 

しょ〜こさん:
そうなんです。私を含めて、みなさん思い込んじゃってるんです「できない」って。でも、やらなければ始まらないし、変わらない。だからできることからやっていけばいいのです。その繰り返しをしていくと、昨日よりも今日のほうがちょっと変化をして、明日にはまたちょっと変化をする。そして人生も好転していくのではないでしょうか。

 

PROFILE しょ〜こ(大野祥子)さん

インテリア雑誌のライター・編集者として20年以上活動後、インスタグラマーに転身。Instagram(@shosworks)で自宅のインテリアなどを発信中。初の著書を発売中。

取材・文/永見 薫 写真提供/大野祥子