1990年代に「女子アナブーム」が到来。アナウンサーに対する注目度がどんどん高くなっていきました。フジテレビに入社した西山喜久恵さんは、まさに「女子アナブーム」が盛り上がる最中、92年の入社組。西山さんはどんな気持ちで仕事に臨みながら、今に至るのでしょうか(全5回中の3回目)。

入社当時は驚きも…「絶対に履き違えないように」

── 西山さんがフジテレビに入社されて30年経ちます。まず、会社に入ってどんなことを思いましたか?

 

西山さん:私も若手だったので、見るものすべてが驚きや発見でした。

 

たとえば社屋で『夜のヒットスタジオ』の撮影が行われていたとき。有名なタレントさんの楽屋がすぐそこにあるんです。近くには行けないけれど、タレントさんのお名前が入り口に貼ってある。それを見ただけでも「ワー!すごい!」って、ドキドキしてました。

 

── 学生時代には無かった世界ですよね。番組も、今の時代とはまた違ったというか。

 

西山さん:当時、とんねるずのお二人が社屋全体を使ってクレーンで、人間黒ひげ危機一髪ゲームをやったりとか。今では考えられないようなバラエティーもありましたね。

 

── 西山さんがフジテレビに入社した1992年は、ちょうど女子アナブームの頃ですよね。華やかな世界に身を置いて、人によっては舞い上がってしまうような、そういったことはなかったですか?

 

西山さん:私は会社員なので、そこは絶対履き違えないようにしようと思って今まで来ました。

 

もちろん、タレントさんと打ち合わせを兼ねた食事会があれば、スタッフと行くことはありました。

 

でも、「ありがとうございます。こんな素敵な場所に連れて来ていただいて」と、必ずお礼は伝えして。「この環境が当たり前じゃないんだぞ」、といつも自分に言い聞かせていましたね。

 

── 自分の軸がぶれることなく。

 

西山さん:夫がたまたまフジテレビ社員で、制作の人間として働いていることも大きいかもしれません。

 

「アナウンサーだからと言って、勘違いはするな」と、そこまでハッキリ言わないまでも、「スタンスを持って仕事をすべき」と言ったことはよく話してくれます。

 

そんな環境もあってか、あまり舞い上がることもなかったです。