小学生が6年間で習う漢字は1026字と言われています。正確に覚え、使いこなしていくには何かコツがあるのでしょうか。今回の相談者のお子さんは、覚えたはずの漢字を間違って書いてしまうことがよくあるといいます。お子さんにどのようなサポートが必要か、教育家・見守る子育て研究所(R)所長の小川大介先生に聞きました。

【Q】覚えたはずの漢字がなぜ書けない…

小学6年生の男の子の母です。漢字が苦手ではないのですが、覚えたはずのものを間違えて書くことがしばしばあります。たとえば、社会のテストで、2回、「排他的経済水域」と書かせる問題があったとします。そのとき、ひとつは「排他的経済水域」と書くのですが、もうひとつは「“俳”他的経済水域」と書いてしまうという“ケアレスミス現象”がたびたび起こります。これはどう対応したら良いのでしょうか?

漢字の覚え方は「学習タイプ」によって異なる

人にはそれぞれ脳の使い方にクセがあります。私はこうした特徴を「学習タイプ」と呼び、主に「視覚タイプ」「聴覚タイプ」「身体感覚タイプ」の3つに分類していますが、漢字の覚え方もこの学習タイプによって異なると考えています。

 

たとえば、「視覚タイプ」の子は、漢字を画像、形として捉えています。「何となく三角形っぽい」などと、見た目の雰囲気やデザインとして認識するので、覚えるのは早いです。ただ、画数や筆順に注意が向くのはその後なので、正確さには欠ける場合があります。

 

音や言葉に反応しやすい「聴覚タイプの子」は、筆順を意識して覚えることが多いです。視覚タイプに比べると覚えるのに時間がかかるけれど、一度覚えると間違えることは少ない傾向があります。

 

体を動かすことが好きな「身体感覚タイプ」の子は、「この漢字、好き」など気分が動いた漢字は覚えやすいようです。手や口を動かすほうが記憶に残るタイプなので、書きながら声に出して覚えるのが向いています。

 

ご相談者様のお子さんは、漢字は苦手ではないとおっしゃっているので、おそらく覚えるのが早い、つまり「視覚タイプ」と思われます。