「わが子理解」なくして最適なサポートはできない

ご相談者様ご自身も、今からの1年間で「勉強って楽しいよね!」と言い切れる親御さんになっていただきたいなと思います。お子さんが楽しくなるにはどう手伝ったらいいのかと考えるスタンスが重要です。

 

最適なサポートをするためにも、お子さんがどんな子なのか改めて観察しましょう。どんな学びに意欲的で、どんなことに苦手意識を持ちやすいかによって取り組む内容は変わります。例えば、1年生の時点で漢字にネガティブな印象をお子さんが持っているようであれば、漢字検定を頑張って自信をつけさせてあげるという方法も考えることができます。

 

塾選びも同じです。お子さんがどんな環境だと学びやすいのかによって選ぶ塾は変わります。競争で燃えるタイプなら競争をあおる塾、ゆっくり取り組みたいタイプなら少人数で落ち着いた塾がいいでしょう。穏やかな環境で勉強したいけれど最難関の学校を希望しているような場合は、集団塾だけではなく家庭教師も必要かもしれません。

 

「わが子理解」と「子育てビジョン」を持って初めて、各ご家庭の受験の形が見えてきますし、それに向けた1年間の過ごし方が明確になります。その根本的な前提なしに、単に計画だけ考えてもうまくいきません。もし前提が曖昧なようであれば、これを機にぜひご夫婦でしっかり話し合っていただきたいなと思います。

 

PROFILE 小川大介さん

教育家・見守る子育て研究所(R)所長。京大法卒。30年の中学受験指導と6000回の面談で培った洞察力と的確な助言により、幼児低学年からの能力育成、子育て支援で実績を重ねる。メディア出演・著書多数。Youtubeチャンネル「見守る子育て研究所」。

取材・構成/佐藤ちひろ ※写真はイメージです