省スペースで経済的、多彩な楽しみ方も魅力

── Instagramで「#ちまちま寄せ」 を検索すると数万件以上の素敵な作品が表示されます。コロナ禍でおうち時間が増えたこともちまちま寄せブームのきっかけでしょうか。

 

MAiさん:
そうですね。ガーデニングと違って、ちまちま寄せは庭やベランダがなくても、ダイニングテーブルの一角とか、ちょっとしたスペースで始められます。

 

フラワーアレンジメントに比べると、セダムは安価なのでお金もかからなくて経済的。何年も楽しめるのでコストパフォーマンスもいいです。

 

作業自体も根気は必要ですが難しくはないので、気軽に始められます。生命力が強く、簡単に増やすことができるのも魅力だと思います。    

 

うちでもコロナ禍の休校中に、それまでまったく興味を示さなかった当時小学2年生の息子と年長の娘が「やってみたい」と言い出しました。教えなくても、けっこう上手に作っていました(笑)。

 

当時、小学2年生の息子さんと年長の娘さんの作品。子どもと取り組むのもおすすめ(写真:MAiさんのInstagramより)
当時、小学2年生の息子さんと年長の娘さんの作品。子どもと取り組むのもおすすめ(写真:MAiさんのInstagramより)

できあがった作品がインスタ映えするのも、人気の理由だと思います。

 

──「ちまちま寄せ」やってみたくなりました。用意するものは?

 

MAiさん:
セダムは種類が多いほどカラフルに仕上がりますが、たくさん揃えるのは大変なので、最初は2〜3種類で十分です。

 

器は、底穴があるものなら何でも。土も市販の多肉植物用の土で大丈夫です。

 

おすすめは、鹿沼土の細粒など水はけの良い細かい土。そこに粘り気のある「ネルソル」という土を混ぜると、小さい葉も刺しやすくなります。

 

細かい仕上げをするのに、ピンセットもあると便利ですね。

 

── 器選びも楽しそうですね。

 

MAiさん:
私がタニラーとして活動を始めた8年前と違って、今では多肉植物、そして「ちまちま寄せ」も多くの人に知られるようになり、専用の器を作っている作家さんがいらっしゃるほど、器の種類は豊富です。素材も、素焼き鉢をはじめ陶器や木製、セメントやモルタルを使ったものや、額のように壁にかけられるタイプなど、いろいろな器があります。

 

空き缶をリメイクする「リメ缶」や素焼き鉢をペイントする「リメ鉢」も楽しくて、ちまちま寄せを始めた人は、一度はハマると思います。

 

空き缶を鉢にする「リメ缶」。多肉植物の楽しみ方は無限大!(写真:MAiさんのInstagramより)
空き缶を鉢にする「リメ缶」。多肉植物の楽しみ方は無限大!(写真:MAiさんのInstagramより)

私が最近気に入っているのは、器とコーディネートして色を1、2色に絞った作品です。

 

ほかにも異種同士を交配して新しい種を作っている人もいたりして、多肉植物の世界って奥深くて、いろいろな楽しみ方ができます。

 

ワークショップなどの対面イベントも復活しつつあります。日本各地を回っているので、もしよかったら小さな世界をのぞいてみてください。

 

PROFILE MAiさん

Chima Labo主宰。地元の長野県安曇野を中心に、全国で「ちまちま寄せ」のワークショップやセミナーを開催。作品を紹介しているインスタグラム(@000mai000)も人気で、書籍『美しいセダムの寄せ植え』(エクスナレッジ)も好評。

取材・文/林優子 写真提供/MAiさん