SNSや著書、ラップなどで地元・茨城県の魅力を発信する「茨城王(イバラキング)」こと青木智也さん。東京、横浜での生活を経験した後にUターン。一度は故郷を離れたからこそわかる、茨城の魅力を発信しています。正しい読み方は「いばらき」なのに、なぜ「いばらぎ」と間違えられやすいのか?その意外な理由を教えてもらいました。
「いばらぎ」の誤読はまさかの県民発信!?
── 地元の茨城県へUターンされたのはどうしてですか。
青木さん:
一度は都会に憧れて上京し、大学時代は東京、就職してからは横浜に住んでいました。ただ、会社中心の生活に疑問を感じるようになって。当時はどうしても茨城!と思っていたわけではなくて、「実家に帰れば住居費もかからないし…」という消極的な動機でした。
フリーになったのを機に、まずはホームページを開設しよう、それなら「茨城」をテーマにしよう!と思い立ち、2000年に「茨城王ーイバラキング」を開設しました。インスタもツイッターも浸透していなかった時代です。
テーマに茨城を選んだのは、一度県外に出たことで、地元の情報があまりにも知られていないことに驚いたのがきっかけです。
── ご著書『いばらぎじゃなくていばらき』も話題になりました。
青木さん:
ホームページ「茨城王ーイバラキング」への投稿をきっかけに声をかけていただき、2004年に出版しました。
4万部のほとんどが県内で売れたので、県民の70人に1人が読んでくださった計算になります。
東京で会う人たちがみんな「いばらぎ」と発音するのでどうしたものかと思っていたら、アニメ『美味しんぼ』の第1話で「いばらぎ」と書かれていて。これはいかん!と(笑)。漫画版は「茨城県」と漢字だけだったのですが、アニメ版にはわざわざ「茨城県」に「いばらぎけん」とふりがながふってありました(泣)。
── 実は、私も長年「いばらぎ」と読んでいました。
青木さん:
なぜこんなにも誤解されているのかと疑問に思って、よく調べたら方言のせいかもしれなかったんです。茨城弁は「か行」が濁って聞こえるので、茨城県民は「いばらき」と言っているつもりなのに、「いばらぎ」に聞こえてしまうんですよね。
アピール力がたりない茨城県民は「いばらぎ」と発音されても「まあいいか」とあまり訂正しないから、いつしか浸透してしまったんでしょうね。