「伏線はった話で面白かった」「人物の感情が読めない」SNS上で飛び交う声。「そうそう!」と見知らぬ人とネット上で会話が始まることも。そんなコミュニケーションを、「映画館」で実現させようと立ち上がった人がいます。それも東京で。映画不況のなか、映画館を立ち上げる岡村忠征さんに、建設中の映画館で話を聞きました。
SNSで飛び交う映画へのコメントを見て「映画館作ろう!」
—— 最近、映画館に足を運ぶ人が減っているような気がしますが、なぜ今新しく映画館を作ろうと考えたのですか?
岡村さん:
ネット配信などで映画を観る人が増え、さらにコロナの影響もあり映画館来場者数は減っています。
でも、動画配信サービスの国内利用者が3000万人に迫り、現代は“史上もっとも映画作品が観られている時代”と言えるかもしれません。
SNS上には『こんな作品を観た、こんなことを感じた』という書き込みがあふれ、誰かと“鑑賞体験をシェア”したい人は増えているように思えます。
そうやってネット配信で映画に触れた人が、実際に映画館に足を運びたくなる流れをつくりたいんです。
映画は自分ひとりでは受けとめきれないほどの感動やとまどいを与えてくれます。感想や疑問を語り合うなど交流できたら、映画鑑賞がもっと豊かな体験になるはず。
ひとり映画を観たとしても、見終わったら黙って帰宅するなんてもったいないと思いませんか。だからこそ、ただ観るだけでは終わらない映画館をつくりたい、と考えたのが始まりです。