校長室は玄関口の真横でいつでも誰でも入れるように入口も開けっぱなしに

「負担が大きい」など、なにかとネガティブなイメージの強いPTA。ところが、山内小学校はPTA役員の立候補者は、定員の約1.7倍!保護者も楽しめる「ワクワクPTA」と名乗るこの小学校。その仕掛け人でもある佐藤正淳校長に話を聞きました。

「この学校いいね」保護者が協力したくなる仕組み

田園都市線あざみ野駅の近くに位置する横浜市立山内小学校。佐藤校長は保護者や地域の人たちにも学校のあり方を理解してもらおうと、Instagramで情報発信を始めました。

 

「目的は学校の“見える化”です。実際に学校や教員がどのように生徒と向き合い、日々努力をしているかが伝われば、保護者の方にも子どもが通う学校が身近な存在になっていきます。

 

学校がどんなところかわからないと、保護者の方も遠巻きに眺めるしかありません。でも実際は、もっと子どもの教育に関わりたい、学校に協力したい気持ちがあるはずなんです。

 

教員の取組みや、私の信念や覚悟を赤裸々に発信すれば、学校、地域、保護者の方の距離が近づき、声をかけ合いやすくなると思います」

 

小学校を訪れたPTA役員と目が合えば立ち話をして、ついつい話し込んでしまうこともあるとか

佐藤校長は、学校だけが子どもを教育するのではなく、保護者や地域の人を巻きこみ、協力し合いながら、ともに子どもを育む“共育・共創の学校”にしていきたいという思いがあります。

 

みんなで子どもを育てながら、“この学校いいね”と誇りに思えるのが理想です。

 

「Instagramを見た方が、私の思いに共感し、“自分も参加してみよう”と思ってもらえると嬉しいですね。

 

手を貸してほしいことも具体的にお伝えすると、“力になれることがあれば協力したい”と申し出てくれる方が少しずつ増えていきました。

 

たとえば、コロナ禍では調理実習ができませんでした。それに困っていると発信したら、レストランシェフの保護者の方が、教科書に準拠した調理実習動画を作ってくれたんです。

 

コロナ禍で調理実習ができないとき、シェフの保護者から調理実習の動画が提供された

 

その方は、コロナ禍で休校中、“家で料理を楽しめる動画”の作成など、さまざまな提案をしてくれています。

 

もともと私は末っ子で甘え上手(笑)。いろんな方を頼っています。それで“ありがとうございます”と感謝を伝えると、頼られたほうも嬉しいじゃないですか?支え合っていきたいですね」