わがままな子どものイメージイラスト

多くの親たちは子どものことを必死で考えています。何が正解で何が間違いかは、わからないでしょう。甘やかしとのびのび。まだ小さいからと、なんでも「いいよ、いいよ」では、子どもの将来にも影響が出ます。育児観の異なる夫婦のあり方を追います。

「園からクレームも…」夫は溺愛で気にもせず

17歳年上の男性と結婚したヒロミさん(38歳・仮名=以下同)。結婚したときはヒロミさん31歳、夫は48歳でした。

 

「夫は30代のころに一度、結婚しているんです。でも7年間の結婚生活は苦痛でしかなかった、と。子どももいませんでした」

 

ヒロミさんが彼と知り合ったのは仕事関係で、27歳のころでした。仕事帰りに、ときどき食事に行くような仲に。

 

「でも、なかなか恋人関係になれなくて。彼は再婚を考えていなかったから、年下の私とつきあうのもためらっていたと、あとから聞きました」

 

つきあうようになっても、結婚には踏み切れなかった彼。でもそんな彼の心を溶かしたのは彼女の愛情だったようです。

 

「つきあって3年たって、結婚することに同意してくれました。私は子どもがほしかった。2年後に息子が生まれたとき、夫はボロボロ泣いていたんです」

 

それからは夫の子どもへの溺愛が始まります。どんなに仕事が忙しくても、夜、一度は帰宅して子どもの世話をして、また会社に行くことも。

 

ただ、子どもが2歳になったころ、いわゆる『イヤイヤ期』に入っても、夫はただ子どもの言いなりになるだけ。

 

今のうちに少しはしつけしておこうとするヒロミさんを、夫は制してばかりいたといいます。

 

「“いいんだよ、好きにさせれば”が、夫の口グセ。夫が甘い分、私が厳しめにするしかありません。すると息子は『ママ、怖い』と言い出す。

 

子どもってわかっているんですよね、自分が誰につけば、かばってもらえるか。1歳から保育園に預けていますが、2歳くらいから園でもたびたび、わがままな振る舞いが指摘されるようになりました」

 

それでも夫は「いいじゃないか」と言うだけでした。