「自分たちがお笑いを始めたときのテレビの世界とは違う」と語る、お笑い芸人の白鳥久美子さん。コロナ禍に出産して1児の母になりました。しかし、生活スタイルの変化、そしてお笑いの世界にも変化の波は押し寄せてきて、試行錯誤していると言います。お話を聞きました。

何かしらに「うるせえよ」と感じてしまう

 ── 出産されてからお仕事が変わった、とのことですが、具体的にはどのような変化があったのでしょうか。

 

白鳥さん:
やっぱり娘のスケジュールになってしまうので、できない仕事もあったり。レギュラーでやらせていただいたものは続いていたりしているので、そこはありがたいんですけど。

 

── それが不安につながったり。

 

白鳥さん:
減っているな、というのはあったので、そこはたまにメンタルがやられますね。出産はコロナ禍だったのでコロナのせいで仕事が減った、と言い訳にもできるんですけど、周りがみんな仕事していたので。やっぱ自分だけ仕事がないのは自分のせい、イコール出産のせいにしちゃうときもありました。それは本当に悩みましたね。

 

でも、仕事がなくなったら起業でもしようかなあ、と思うこともあって。お迎えがあったり、働く時間が限られていて働きたくても働けないママを集めたら、即戦力になると思うんですよね。そういう話をすると、みんなちょっと明るくなるじゃないですか。何か勉強してみようかな、とか自分の可能性が見つけられるから。

 

── お母さんたちが働きづらいというのもそうですが、夫婦2人だけで子どもがいなかったらいなかったで肩身が狭い、ひとりだったら早く結婚しろと言われる。ずっと生きづらさをどこかしらで感じてるような。

 

白鳥さん:
本当ですよね。特に女はね、何かしら「うるせえよ」ですよね。結婚しても、住所も名前も、銀行の手続きも、全部女が変えなきゃいけないから、そこはちょっと腹立ちますよね。

 

次の世代の子供には違う世界を見せられるように、お母さんたちが何かつくっていけたらいいね、という話はします。

 

── 娘さんだから余計にそう思うところはある?

 

白鳥さん:
性別は女だけど、好きな性別を選んでいいと思うし、髪染めたいならそれでいいと思うし、整形したいならしたらいいと思うし。

 

ただ1回相談をしてくれよ、って(笑)。悩んでるんだったら相談して、あなたなりの答えを出して、その世知辛い世の中に生きてごらんなさいよっていう感じですよね。

 

なんか、親世代から社会のルールをボンッと押しつけられるじゃないですか。それが嫌で芸人になってるとこもあるんですけど。だからね、そういうルールがない世界でね、楽しく生きてくれればいいなと思います。