中学受験を予定している家庭にとっては、入試まで半年を切る時期。親御さんも何となく落ち着かない時期に入り、お子さんへの声がけに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。教育家・見守る子育て研究所所長(R)の小川大介先生が、受験生をどうサポートすればよいか、アドバイスします。

【Q】子どもの中学受験まであと半年

小学6年生の親です。本人が行きたい中学校があり、来年2月の中学受験を目指して猛勉強中です。ただ、今の成績では、ぎりぎり合格できるかできないかという状況。これから勝負の夏休みに突入し、あと入試まで半年となります。親子ともに心身ともにハードな日々になると思うのですが、この半年は、親として子どもにどのような声がけをしていけば良いのでしょうか?

無理せず「自分ができることをやる」が受験の王道

私は、30年以上にわたり中学受験をするお子さんをサポートしてきましたが、これだけははずしてほしくないということがあります。それは、子どもたちには受験勉強を頑張った時間を通して、自分への信頼を高めてほしいということ。

 

親子ともに合否は気になると思いますが、入試当日に至るまでの毎日に価値があります。知識や考える力をつけたり、試行錯誤して頭をフル稼働させたり、誤答から次に生かす術を学んだり。そんなふうに、人生において今後必要となるさまざまな力を高めていく日々がお子さんを成長させます。

 

とくに最後の半年は、その密度がグッと上がって成長できる機会です。毎日お子さんに力がついて成長しているということを、親御さんはつねに忘れないであげてください。

 

そういった入試に向かう日々が楽しく実りあるものになるポイントとしては、無理をしないこと。自分ができることを最大限やることが、受験勉強の王道です。日頃手が届かない問題は、今の自分には難しいと受け入れましょう。もちろん時間が余ったら挑戦すればいいのですが、無理をして手を出さないこと。

 

本番で120%の力を出そうという人がいますが、そもそも100%を出すことが難しいのにそれ以上の力なんて出せません。トップアストリートも80%出せれば勝てると言われていますよね。本番は80%の力を発揮することを目指し、「できることをやる」を繰り返しましょう。くれぐれも睡眠を削ったり、量に頼ったり、健康を害するような勉強はしないでください。