「泡はどのくらい立てるのが正解?」「ラガーとエールって何が違うの?」と、ずっと気になっているビールにまつわる疑問は誰しもあるはず。知れば知るほど奥深いビールの雑学について、ビアソムリエのくっくショーヘイさんに教えてもらいます!
見た目だけじゃない!泡には美味しさの役割がある
── ビールをグラスに注いできれいに泡ができると反射的にテンションが上がりますが、そもそも泡は立てたほうがいいのでしょうか?
くっくさん:
泡はビールの見た目のコントラストを美しくするだけではなく、ちゃんとした役割があります。
液体が空気に触れることによって起こる、酸化や香りの揮発を抑えるといった蓋の役割をしてくれます。
さらに、クリーミーな泡はビールの口当たりをよくする効果もありますね。泡があるかないかで、味の感じ方が変わってくるというわけです。
グラスにひたすらやさしく注いでいると、泡は立ちませんよね。
この場合、炭酸ガスが飛ばずに残った状態になるので、ビールがお腹にたまりやすくなったり、ピリピリした強い刺激で飲み疲れてしまうことがあります。
ですので、適度に泡立てて、液体に蓋をつくることをおすすめしています。
── 蓋の役割があるとは知りませんでした!グラスに注いだときの理想的な泡の量があれば教えてください。
くっくさん:
基本的に7(液体):3(泡)ですね。これは国によって違いますし、飲む人のペースによっても変わってきますが、見た目に美しいのはこの比率だといわれています。
例えばイギリスのお店だと、ほとんど泡がない状態で注がれて出てきたりもするんですよ。
7:3に泡立てるなら、グラスに当たる2~3cm程度上の高さから注ぐのがよいといわれています。あまり高すぎてもダメですね。
ただ、ビールの種類によって炭酸が強くて泡が立ちやすいもの、立ちづらいものがあるので、私は「この種類のビールだったら、強めに当てたほうが泡立ちやすいな」といった具合に調整しています。