日本の伝統工芸と角界のコラボを
── 大相撲の横綱昇進を審議し、引退勧告もする横綱審議委員に、今年就任しましたが何か考えていることはありますか?
紺野さん:
余計なことを言うなと怒られるかもしれませんが(笑)、“新サービス”を考えています。
伝統工芸による、お相撲さん人形を売り出したらどうかと思います。
例えば、富山に井波(いなみ)彫刻という木彫工芸品があります。
他にも宮城県の鳴子のこけしの里に、私の親類がいるのですが、お相撲さんのこけしがあったら外国の方にも喜ばれそう、なんて話をしています。
私が欲しいだけだったら、ゴメンナサイ。
そのような日本全国の伝統文化とのコラボを通して、お相撲も地方の文化もより活性化するとうれしいですね。
どんどん新サービスにトライを
観覧席の椅子席を実験的に増やしてみるのはどうかしら、とも思っています。
大相撲では2階席は椅子席ですが、1階の升席は座布団席なので、高齢者や足の不自由な人は土俵近くでの観戦が難しいです。
トランプ前米大統領の観戦のときのようにとは言いませんが、工夫をしてどんどん新サービスにトライをして欲しいです。
相撲はいちファンとして50年、観戦してきましたが、横綱昇進の審議など重要な会議もあるので、これからはさらに勉強していきたいと思います。
個人的に好きな力士などは公言してはいけないのかと思っていたら、まったく構わないようで、自然体で務めることができそうです。
“おばドル”を目指したい!
── ご自身の活動としては、2010年から「朗読座」という舞台を始めて、全国を回っていますね?
紺野さん:
本の朗読だけではなく、音楽や映像を組み合わせたパフォーマンスを行っています。
各地を回りながら、お客さんの生の声を聞けるという点では、舞台の仕事と似ていますね。
ただ、演劇の舞台はオファーがあってのもの。朗読座は私自身が企画しているので、苦労もありますが、自分でとても楽しむことができます。
これからは日々を慈しみながら、自分の心が動くことをやっていきたいです。
朗読座で全国各地を回りながら、かつてテレビや映画に出演していた女優と会える“おばドル”を目指していきたいと思っているんですよ(笑)。
PROFILE 紺野 美沙子さん
1960年、東京都生まれ。慶大卒。在学中にNHK連続テレビ小説『虹を織る』のヒロインに。映画や舞台など出演多数。国連開発計画親善大使。「朗読座」主宰。横綱審議委員会委員。
取材・文/CHANTO WEB NEWS 写真提供/(有)グリーンオフィス