インタビューに答えてくれた紺野美沙子さん
インタビューに答えてくれた紺野美沙子さん

慶大在学中にNHK連続テレビ小説のヒロインに選ばれ、映画や舞台でも活躍してきた紺野美沙子さん(61)。国連の親善大使としての活動も長い一方、最近ではYouTubeで鉄道会社を支援したり、横綱審議委員に就任。夫が富山県氷見(ひみ)市の副市長に就くなど、目まぐるしく変わる環境に適応して、楽しんでいるようです。すでに還暦を過ぎましたが、さらに目標としたいこともあるそうで、取材中もさまざまなアイデアを披露してくれました。(全2回中2回)

月に3分の1は富山県生活

── テレビマンだった夫君がおととしの春に、富山県氷見市の副市長になりましたが、紺野さんの生活に変化はありましたか?

 

紺野さん:
悪いことはひとつもないですね。月の3分の2は東京、3分の1は氷見に滞在しています。夫の洗濯や掃除や炊事のためですが(笑)。

 

ただ、熟年夫婦の倦怠も漂っていたなかで、離れて暮らすことで夫の良い面の発見もありました。

 

また、都会の“早い・安い・うまい”の便利さには、生産者やそれを仕入れ、加工して販売する人たちがいるのだということを強く意識することができました。

 

都会だとデパートで、“今日の魚の切り身はイマイチね”などと言いがちです。

 

でも氷見では、近所の鮮魚店のおばさんが丑の日に、朝5時からうなぎを焼いていて、「昨日は150匹だったけど、今日は200匹かな」と現場のリアルな話をしてくれるんです。

氷見線の観光列車「べるもんた」の前で

副市長の妻としての仕事はないけれど…

── 氷見の副市長の妻としての仕事はありますか?

 

紺野さん:
特にありませんが、氷見市のために微力ながらお役にたてたら、とは勝手に考えています。

 

たとえば、JR氷見線は経営が厳しい路線のひとつで、存続のための様々な議論が続いているそうです。

 

ただ、銚子電鉄ではないですが、乗客は少なくても、そこに電車が走っているということは、風が通い、空気が動き、街の景観や活気を生みだし、文化のひとつになります。

 

だから、難しい問題ですが合理化がすべてではないと思います。

 

氷見市は氷という字を書くので、かき氷で町おこしをできないかとも勝手に考えていますよ。